黄砂予報の精度を実測値から検証する(07/5/25-27松江市の事例を中心に)
実測値は、「環境省黄砂飛来情報:マップ」から得られます。
http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/ver2007/
「マップ」は現在止まっていますが、2007年4月1日から5月31日までのデータは見ることができます。4月1~3日は、黄砂大襲来なので、極端なデータを見ることができます。
このページの右上に「このページの特徴、見方」があり、それをクリックすると、実測の原理と「黄砂の高度分布図」の見方が説明されています。
http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/ver2007/
「マップ」は現在止まっていますが、2007年4月1日から5月31日までのデータは見ることができます。4月1~3日は、黄砂大襲来なので、極端なデータを見ることができます。
このページの右上に「このページの特徴、見方」があり、それをクリックすると、実測の原理と「黄砂の高度分布図」の見方が説明されています。
以下に示すすべての図は、右下の「○内に+」のある印をクリックすることで拡大し、詳細に検討することができます。
上から、図1~3は、この「高度分布図」の見方を説明した図です。
「高度分布図」は、縦軸に高度、横軸に時間(日付)をとります。色で示したものの、
「赤~青」は黄砂濃度、
黒色は「雲」、灰色は「データ採れず」の領域です。
「図」は、クリックすれば拡大して見ることができます。
さて、図4の松江市の場合です。
5月25日18時 高度1500-2000m上空に黄砂到来(この時の予測図は次の図5)。なお、予測図は、「地表から高度1000mまでの黄砂の平均濃度」を予測。これに対して、実測図は「地表から高度6000mまでの黄砂を測定」。
高度2500mに黄砂の最高濃度域(赤)到来。中濃度(緑)の地上への降下始まる。
3時 風速4(m/s)。
6時 風速3(m/s)。中濃度の降下が続き、高濃度が降下しつつある(この時の予測図は次の図6)。
9時 風速11(m/s)。最高濃度域(赤)の底が、高度2000mから1000mへ、一 気に下降した。下降気流が起きたらしい。
15時 風速8(m/s)。
18時 風速6(m/s)。
21時 風速4(m/s)。最高濃度の地上への降下、終わる(この時の予測図は次の図7)。
5月27日 3時 中濃度の地上への降下、終わる(この時の予測図は次の図8)。
6時 低濃度(青)の降下はあるが、黄砂の降下は一段落ついている(この時の予測図は次の図9)。
12時 再び、中濃度の地上への降下、始まる。
15時 中濃度の降下が続いている(この時の予測図は次の図10)。
20時 中濃度の地上への降下、終わる。
22時 低濃度の地上への降下、ほぼ終わる。
5月25日18時 高度1500-2000m上空に黄砂到来(この時の予測図は次の図5)。なお、予測図は、「地表から高度1000mまでの黄砂の平均濃度」を予測。これに対して、実測図は「地表から高度6000mまでの黄砂を測定」。
以下に、日時を追って図4の「松江市の黄砂の実測値」と「予測図」を比較していきます。図4はクリックして拡大しないと、縦軸の高度と横軸の日時を読むことができません。煩雑ですが、しばらくお付き合い下さい(笑)。
21時 低濃度の黄砂の、地上への降下始まる。
5月26日 0時 西よりの風、風速2(m/s・松江気象台発表)。高度2500mに黄砂の最高濃度域(赤)到来。中濃度(緑)の地上への降下始まる。
3時 風速4(m/s)。
6時 風速3(m/s)。中濃度の降下が続き、高濃度が降下しつつある(この時の予測図は次の図6)。
9時 風速11(m/s)。最高濃度域(赤)の底が、高度2000mから1000mへ、一 気に下降した。下降気流が起きたらしい。
12時 風速8(m/s)。
13時 最高濃度(赤)の地上への降下、始まる。「視程」5Km以下と想像するが、データがない。15時 風速8(m/s)。
18時 風速6(m/s)。
21時 風速4(m/s)。最高濃度の地上への降下、終わる(この時の予測図は次の図7)。
5月27日 3時 中濃度の地上への降下、終わる(この時の予測図は次の図8)。
6時 低濃度(青)の降下はあるが、黄砂の降下は一段落ついている(この時の予測図は次の図9)。
12時 再び、中濃度の地上への降下、始まる。
15時 中濃度の降下が続いている(この時の予測図は次の図10)。
20時 中濃度の地上への降下、終わる。
22時 低濃度の地上への降下、ほぼ終わる。
予測図では、5月25日18時前から27日15時まで、松江市は赤い最高濃度域にあり続けます。ちなみに、
次の図11に長崎市の黄砂の「高度分布図」をあげます。長崎では、26日0~9時まで最高濃度におおわれますが、地上100mぐらいの上空を流されて、この時は最高濃度域の黄砂は降りませんでした。
次の図12に、つくば市の黄砂の「高度分布図」をあげます。
つくばでは、26日6時~27日18時頃まで、青の低濃度域のみ観測しました。
長崎市もつくば市も、この期間はずっと予測図では赤い最高濃度域に含まれています。
予測図は、「地表から高度1000mまでの黄砂の平均濃度」を予測していますが、実測の高度分布図と同じ濃度単位で色分けしているわけではありません。
予測図は、「地表から高度1000mまでの黄砂の平均濃度」を予測していますが、実測の高度分布図と同じ濃度単位で色分けしているわけではありません。
以上から、予測図の精度に言及すると、次になるようです。
1)予測図の最高濃度域(赤)は、実測図の低(青)~最高濃度(赤)を示し、濃度についての精度はわりと粗い。
つまり、
つまり、
「予測図の最高濃度域(赤色部の)内でも、黄砂の実測濃度(粗密)に大きなばらつきがある」。
2)予測図では、黄砂が上空を通過するか、降ってくるかは分からない。
「降るか、通過するか」はその地方の気象条件による。
ちなみに、松江市5月26日9時の地表で風速11m/sでも、黄砂の最高濃度の降下は続いて、上空を吹き流された形跡はない。 まあ、こんなところです。
図が多すぎて見づらいのは申し訳ありませんが、
図が多すぎて見づらいのは申し訳ありませんが、
その他、お気づきの点があれば、どうぞ。