2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

深尾書簡(5)追伸

副啓(追伸) 一 せんだって[のご返事で]仰せ下され候には、『深尾殿屋敷と申し候所、今にこれ在り候』由 (村民は浅小井小源太清長の屋敷跡を「深尾殿屋敷」と呼び、屋敷跡ははっきり残っていたが、安永年間(1772-1781年)の地震で裏山が幅百間(約180m)崩…

深尾書簡・本文(4)

深尾村の位置(1) 現在の三重県北端にある。 深尾村の位置(2) 深尾村の位置(3) 昭和47(1973)年、中里ダムが着工され、昭和59(1984)年、暫定通水が開始された。深尾村は中里ダム(鈴養湖)に沈んだ。 この地図は、「【九里】を探して三千里」さんからお借りしま…

深尾書簡・本文(3)

手紙冒頭の「御意」とは、「手紙の差出人である近江在住の深尾治右衛門の『自宅に来訪して欲しい』との要請に対する、受取人・深尾村庄屋達の承諾」を表します。治右衛門はこの春に庄屋達に対して「来訪を要請する第一回目の照会状」を出し、庄屋達は7月8…

深尾書簡(2)

さて、深尾書簡のコピーを知り合いに頼んで取り寄せたのですが、これが読めない…。なにやら達筆らしい…くずし字が判読できない。毎日眺めていても、読めない。欲求不満はたまる一方で、投げ出す。また、眺める。子供の頃、習字をかじったことがあって(これ…

全国の「深尾さん」いらっしゃい!――深尾書簡(1)

昨年の年末、全国の高校で地理歴史科の必修科目・世界史が未履修のままの生徒がいることが発覚した。今回の発覚は学習指導要領への単なる違反事件と見る時、大した事ではない。むしろ問題は、高校教育を大学受験の予備校としか見ない世間の風潮にある。16歳…