原発被害、スピ-ディーに対応できない菅政権

放射性物質の拡散予測公表せず、批判の声
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110322-OYT1T01065.htm?from=main1
. 福島原発
 福島第一原発の事故で、文部科学省が行った放射性物質の拡散予測の結果が公表されていないことに、専門家から批判が上がっている。

 今回のような事故を想定して開発されたシステムだが、「生データを公表すれば誤解を招く」として明らかにされていない。

 このシステムは「SPEEDI(スピーディ)」と呼ばれ、炉心溶融に至った1979年の米スリーマイル島原発事故を踏まえ、開発が始まった。現在も改良が進められ、2010年度予算には7億8000万円が計上された。

 コンピューターで原発周辺の地形を再現し、事故時の気象条件なども考慮して、精密に放射性物質の拡散を予測する。今回の事故でも、原発内の放射性物質が広範囲に放出された場合を計算。政府が避難指示の範囲を半径20キロ・メートルに決める時の判断材料の一つとなった。

 住田健二・大阪大学名誉教授は「拡散予測の結果を含め、専門家が広く議論し、国民が納得できる対策をとれるよう、情報を公開すべきだ」と批判する。
(2011年3月23日01時52分  読売新聞)

黄砂やオゾン襲来の濃度分布をあれほど正確に予測できるのだから、放射性物質の拡散を予測するのは簡単なはずだと思っていたら、やはりあったのですね。

2010年度予算に7億8000万円を計上
文部科学省 原子力安全課
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/index0301.html


緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムSPEEDI 

周辺環境の放射性物質の大気中濃度及び被ばく線量などを地勢や気象データを考慮して迅速に被ばく線量予測を計算するシステム。SPEEDIネットワークシステムと称され、大量の放射性物質が放出されるという事態が発生、又は発生のおそれのある場合に、国や市町村に通報され、住民避難などの防護対策 を検討するのに使用される

ハズだった。


SPEEDIは、こんなにすごいシステムですという宣伝です。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/download_data/speedi.pdf#search=
政府はこのシステムを使って見ていたわけで・・、
結果を公表しなかったのは、パニックになるのを恐れた訳です。

放射性物質の拡散は、風向き、風速、雨などが影響するようです。
上のURLを見ると、気象データ・放出源情報・地理情報・社会環境情報・線量換算係数・核種組成比率データなどなど、入力から配信まで15分。詳しく読むと腹が立つので、読んでないんですけど・・・。

原発中心にただ同心円を描いて、「この範囲は危険です」のような単純なことではないことが分かってきた。この危険範囲のとりかたは、何も判断基準がない時に、とりあえずの警報を出すやり方と思う...。いわば、静止した水中に汚染が広がる場合のような・・。この芸のない初心者的なやり方ではマズイと、早い段階で政府には分かっていたはずだ。しかし、スピーディによる避難域の修正と住民の誘導に備えと自信がなく、かえってパニックを呼ぶと畏れたのだろう。

どうなの、枝野君?ズボシでしょ?

放射性ヨウ素の積算値分布の予測(3月12日~23日)

こかげさんの記事↓に図と説明があります。

米軍機などによる放射線量の実測値の分布(3月17日~19日)

こかげさんの記事↓に図と説明があります。
http://blogs.yahoo.co.jp/ryokuin_seidan/53397975.html

ここに図だけでも貼りたかったのですが、私のPCではダメでしたorz

予測値は放射性ヨウ素のみ、実測値は放射線量ですが、線量分布のパターンはよく似ていて、予測値は重要な指針を与えていることが分かります。


マル激トーク・オン・ディマンド 第519回(2011年03月25日)
特別番組
あえて最悪のシナリオとその対処法を考える
http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php#video
この動画のPart.2の 29:00-31:35
京大原子炉実験所の小出裕章
「スピーディは多額の費用と約20年をかけて開発されました。もし、こういう事故が起きたときには、これを動かして住民の被曝線量を少しでも少なくしようとするために開発された計算コードなんです。ところが、それが一切公表されなかった。」
「きのう(3月24日)だか、なんだか発表されましたね。」
「そうです。だから、ほぼ二週間の間、口をつぐんだまま、ようやく昨日になって公表されました。つまり、政府が、パニックをおそれて抑えたのだと思います。」