バックミラーを見て運転するな
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)4月14日(火曜日)通算第4515号の(読者の声3)に
興味深い東海子氏の投稿があったので、少し編集してご紹介したい。
以下、引用。
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興味深い東海子氏の投稿があったので、少し編集してご紹介したい。
以下、引用。
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(読者の声3)「バックミラーを見て運転するな」東海子
戦後70年ということで東京大空襲など戦争体験の回顧談が報道されている。これは民族の苦難の記憶を周知継承するために良いことである。しかし内容の生々しさに若い人が興奮して反米を叫ぶのは感心しない。というのは過去は過去、現在は現在でありまったく別だからだ。
これについて、米国には「バックミラーを見て運転するな」という警句がある。
過去にとらわれずに前を見て運転しろということだ。
これは丁度中共が繰り返す「過去を鑑として行動しろ」という主張を否定するものなので大いに利用したい。
これについて、米国には「バックミラーを見て運転するな」という警句がある。
過去にとらわれずに前を見て運転しろということだ。
これは丁度中共が繰り返す「過去を鑑として行動しろ」という主張を否定するものなので大いに利用したい。
このたび天皇陛下がパラオの激戦地に行幸された。
この地域では日本軍は多くの犠牲を出したが、米国側も太平洋戦線では総計17万人もの前途ある青年が戦死している。
これは村山ではないが(入力者・注「村山元総理のもの言いに倣って表現すれば」)、
この地域では日本軍は多くの犠牲を出したが、米国側も太平洋戦線では総計17万人もの前途ある青年が戦死している。
これは村山ではないが(入力者・注「村山元総理のもの言いに倣って表現すれば」)、
ルーズベルト大統領が国策を誤ったからである。戦前外交官の長老マクマレーは1935年日本敵視政策を止めるように国務省に建白書を出し、駐日グルー大使も推奨したが米国最高指導部は聞きいれようとしなかった。それは19世紀以来の満州進出欲に固執したからである。
まさに「鳶に油揚げをさらわれた」のである。
今、米国ハワイの真珠湾で特攻企画展が行われている。この中で戦艦ミズーリの乗組員が特攻隊の操縦士の遺体を手作りの日の丸で包んで水葬したという挿話が公開されている。爆装していない戦闘機が突っ込んだのだ。米兵もその比類なき勇気に感動したのであろう。
昭和二十年(一九四五年)四月十一日午後二時四十三分、鹿児島県薩南諸島喜界島沖で、一機の零式戦闘機が米国戦艦「ミズーリ」の右舷艦尾に体当たりした。この勇敢な攻撃に心を打たれたウィリアム・キャラハン艦長は、この特攻隊員を水葬にして手厚く葬ることを提案した。艦内には「敵兵にそんなことをする必要はない」という反対もあったが、艦長は「敵兵でも死んだら敵ではない。国のために命を捧げた勇士である。これは艦長の意志である。丁重に葬ってやりたい」と艦内に放送し、星条旗に日の丸を描かせて遺体を包み、翌十二日、礼砲五発、全員敬礼をして水葬にしたという。
私もこうした話を、昔、米軍人から聞いたことがある。
私は20代のころ米国を横断旅行したが、中西部で白人の家に泊めてもらった。夕方、裏庭で遠い大平原に落ちる雷の稲妻を見ながらビールをご馳走になった。主人は日本との縁を話した。
おそらく母艦を失った日本軍機が燃料切れで不時着水したのであろう。そこで救出に向かった。そして彼を艦上に引き揚げた。大層疲労困憊している様子なので、炊事係が急いで食事を用意し飛行士に差し出した。すると、驚いたことにその飛行士は食事用のナイフを使って自決したのである。
これをみた米軍側はショックを受けた。そして敵ながら偉いと深く感動した。戦場で戦う最前線の戦士の心理である。彼はその後、沖縄攻略戦に参加し、日本進駐も経験し帰国した。彼は、「日本軍は実によく戦った、偉かった」、と尊敬していた。 |
「ミッドウェーでの出来事は忘れられない。それで今日貴方をお招きした」と語った。 |
私は自分と変わらない年齢の同胞青年の死を思い心の中で合掌した。
天皇陛下は今回の慰霊行幸で日米双方の慰霊碑を参拝された。
これは過去と現在をしっかり分けるように国民にご指示されたものと理解している。
我々は過去から現在を見るのではなく、現在から過去をみる姿勢で近代史を学び、それを現在の国際関係に生かしてゆくべきであると思う。
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「バックミラーを見て運転するな」の表題は、むしろ中国や韓国向けにはふさわしいのではないか。
これは過去と現在をしっかり分けるように国民にご指示されたものと理解している。
我々は過去から現在を見るのではなく、現在から過去をみる姿勢で近代史を学び、それを現在の国際関係に生かしてゆくべきであると思う。
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私のコメント
よい話と思って記事にしたが、どうも表題が気になってきた。「バックミラーを見て運転するな」の表題は、むしろ中国や韓国向けにはふさわしいのではないか。
終戦直後に日本に上陸してきた米兵は、日本人を尊敬していた。 彼らは、日本兵が勇敢に戦ったことを身をもって体験してきたからである。 しかし、そういう古強者がアメリカに帰国して、入れ替わりに「戦場を知らない新兵」がやってくると、日本を「文明のおくれた単なる敗戦国」として見下すような米兵連中が当たり前になって行った。という話を聞いたことがある。
かけがいのない戦友を失い、勇敢な敵兵をまのあたりにした老兵は、
戦争や人生について確固とした感慨を持つに至るが、大衆の前でベラベラしゃべりまくったりはしない。
戦争や人生について確固とした感慨を持つに至るが、大衆の前でベラベラしゃべりまくったりはしない。
黙して語らず、消え去って行くのである。
「新兵」は、あとからあとから湧いて出てくるのである。