近年の光化学スモッグは「中国」が原因だ!政府は早く対応しろ!
酸性雨研究センター(新潟市)が今年の2月と5月に
その冒頭を「意訳」してお伝えします。
近年の日本の光化学スモッグは、「中国」が原因だ!政府は早く対応しろ!
という内容の緊急アピール
を出しています。その冒頭を「意訳」してお伝えします。
光化学オキシダントの主成分であるオゾン濃度が、この25年間上昇し続けている。 平成14年には、千葉県で18年ぶりの光化学オキシダント警報(0.24ppm以上)が2日発令された。 平成17年には、埼玉県で1回発令された。 平成18年には、注意報(0.12ppm以上)を発令した都道府県数が25に達し、観測史上最大の数となった。 2000~2005年までの間に、濃度上昇の傾向は都市部から離れた山間や海岸の僻地でも観測されている。 今年、平成19年5月8日・9日・27日に、広域で光化学オキシダント注意報が出たのは、記憶に新しい。 光化学オキシダントの原因物質は工場の煙突や車の排気ガスから排出されるので、光化学オキシダント注意報は、東京・大阪などの大都市圏でも発令されている。しかし、大きな工業地帯のない田舎町や海に囲まれた島でも発令されるようになってきた。 これは、いったい、どういう訳なのか? 近年の注意報発令の「主な原因」を、日本国内に求めることはできないのだ。 その理由は、 (1)光化学オキシダントの原因物質は 揮発性有機化合物(別名:非メタン炭化水素・VOCs←どうも、 ヴォックスと読むらしい。つまり、ベンゼン・ホルムアルデヒド など)と 窒素酸化物(別名:NOx・ノックス。つまり、二酸化窒素など)の 2つに大別できる。 (2)日本では、揮発性有機化合物の濃度は大幅に減少した。 (3)日本では、窒素酸化物の濃度も、横ばいまたは減少している。 (4)山岳や海岸などの僻地の観測地でもオゾン濃度が上昇しているが、 その濃度に日変化がほとんどなく、近傍にオゾンの発生源がない ことを示している。 (5)それにも関わらず、注意報を発令した都道府県数が平成18(2006)年 に過去最大になり、発令地域が日本で広域化している。 ということが分かっているからだ。
(1)NASAの対流圏(地表~高度1万mあたり)オゾンの衛星画像は、中国 の中央部から日本を取り巻く地域全体でオゾン濃度が高くなってい ると示している。 (2)流跡線解析で発生源を遡及追跡すると、中国大陸から大気が流入す る時にオゾン濃度が高くなる。 (3)中国大陸では、窒素酸化物の排出量が急速に増加している。 衛星観測によれば、中国の東部・中央部の対流圏で、 特に2000年以降、二酸化窒素の排出量が急増した。 華北平原では、年率約7%で増加している。
↑の衛星写真がその様子です
(4)中国大陸では、揮発性有機化合物の排出量も急速に増加している。 1980~2000年に、中国の揮発性有機化合物の排出量は、2.4倍に 増加した。以上、「酸性雨研究センターの緊急アピール」の冒頭を、「私が意訳」しました。
「本当にそうかな…?」と思う方は、以下の詳細を御覧下さい。
酸性雨研究センターの緊急アピール(2007/2/15作成、5/15更新) 早急な対応が必要「増え続ける対流圏オゾン」 1.濃度とその推移 2.オゾンの健康影響 3.オゾンの植物影響 4.今後の対策http://www.adorc.gr.jp/adorcjp/doc/ozone.htm
この記事の
「近年の注意報発令の『主な原因』を日本国内に求めることができない理由」の(2)・(3)・(5)に関して、
「日本では揮発性有機化合物・窒素酸化物の濃度が減少しているにもかかわらず、光化学スモッグ(光化学オキシダント)注意報が増えている」というデータは、
次の文章の「(参考1)」をクリックすると出てきます。