毒餃子騒動 (3)御家人さんのいらだち

1月30日から、中国産の毒餃子が日本中で問題になっていますね。
これについて、
「日々是チナヲチ」の御家人さんも話題にしてますので、この件についてはしばらく「日々是チナヲチ」の出店を続けます。
 以下に、そのあらましを紹介いたします。

 コメントある方は、直接、御家人さんにどうぞ。
よたコメントは、ここでもいいですよ。
あ‥、「よた」でなくても、いいです。

転載もと:http://blog.goo.ne.jp/gokenin168
こりゃ「ヤパヲチ」もせにゃいかんですかね。
                             中国毒餃子 / 2008-02-07 02:24:40

 どうにも情けなくて、やるせなくて。焦れったくて。……中国毒餃子事件のことですけどね。これについては、

 ●毒餃子問題:中国側が早くも捏造開始。(2008/02/01)
 ●【中国食品】まずは輸入停止。話はそれからだ。(2008/02/04)

 ……と、エントリー2本で言いたいことは言わせてもらいました。2本目は多少無茶の感もありますが私自身は真剣に書いていますし、皆さんからたくさんコメントを頂きましたし、

「全くその通りです。御家人君、いいものを書きましたね」

 と恩師からもお褒めの言葉を頂いたので、ああ良かったと自分では思っています。

 付言するなら、「まずは輸入停止」というのは国民の安全を優先するためだけでなく、関連業界や私たちへの「天罰」でもあります。……というところまではありきたりかも知れません。

 が、さらに「食の安全」という意味で中国の脅威にさらされているのは日本だけではないのですから、この事件は日中の二国間に限定すべきではなく、日本政府は国際問題でもあること意識しつつ取り扱うべきだ、だからこそ輸入停止が必要、ということにも力点を置いたつもりです。

 ともあれあとは事態の推移を見守る。……というつもりでいるのですが、見守っていると冒頭に書いたように、

「情けない」
「やるせない」
「焦れったい」

 という気持ちがこみ上げてきて暗然とします。中国なんざ中共一党独裁政権ですから、対応は常にあんなものです。しかし日本政府の対応が余りにお粗末ではないかと思えてなりません。中国側のゲームプランにそのまま乗っかってしまっていますから。

 ――――

 中国食品の期間限定全面輸入停止にすぐ踏み切るのは困難としても、事件が発覚した時点で、天洋食品限定での輸入禁止措置をなぜ執らなかったのか。調査団を派遣する前に、せめてそのくらいはしてほしかったです。

 それによって、

「日本政府は国民の安全を最優先する」

 という姿勢を示すことにもなりますし、

「日本は本気で怒っている」

 というメッセージを中国に伝えることにもなりますし、輸入禁止措置となれば「話題」ではなく「ニュース」として全世界に報じられますから、中国側のゲームプランにある程度打撃を与えると同時に、海外へのアピールともなり、国際社会の間でも関心を呼ぶこともできたと思います。

 ところが、業者側が販売を中止しているし商品を回収しているし……などといった理由で日本政府は輸入禁止に踏み込むことをしませんでした。でも販売中止とか商品回収というのは業者側が業者側の事情で勝手にやっていること。

 日本政府は政府で自らの意思表示をすべきだったのではないでしょうか。それが、とりあえずは天洋食品製品に対する輸入禁止措置です。

 それすらすることなく調査団を中国に送り込んだというのでは、「日本政府は国民の安全を最優先する」という最低限の保証すら国民に示さなかったことになります。「棄民」といえば大袈裟ですが、要するに「自分のことは自分で守れ。国は面倒をみない」というに等しい態度といえるかと思います。

 「国民の安全を守る努力を放棄した。百歩譲っても一種のサボタージュであること、まぎれもない」

 ということで、日本国民が政府を相手取って裁判を起こしてもいいかも知れません。

 実際、こと天洋食品のギョーザに限っても新たな問題が見つかるなどして事態は拡大しています。一時重体になった被害者までいます。千葉県警兵庫県警は「事件」として捜査本部を設置しています。厳しくいわせてもらいますが、ただただ国だけが無為無策です。

 ●中国製ギョーザ:1袋から別の有機リン系殺虫剤を検出(毎日jp 2008/02/06/00:06)
 ●毒ギョーザの袋から検出の「ベンゼン」、国内農薬には使用せず(MSN産経ニュース 2008/02/06/19:35)

 それから、

 ●「中国抜き」では成り立たず=冷凍食品の2割以上依存-ギョーザ問題(時事ドットコム 2008/02/03/14:27)

 こういうことを平気で言える日本のメーカーやそれを無批判で伝えるマスコミは勝手に潰れるか中国資本に吸収されること。だから天罰なんですってば。粉屋はどうもそのあたりがわかっていないようですね。

 ――――

 さて、中国側に何歩も遅れて調査団を組織し訪中させたものの、その調査団も何やらお粗末なことをやっているようです。

 ●「天洋」工場調査団の取材、日本政府の不手際で一部だけに(YOMIURI ONLINE 2008/02/06/19:34)

「お前らの渡航・滞在を含めた関連費用の一切はどこから出ているんだ?もちろん自腹だよな?」

 と言いたくもなります。

 ついでに、同行取材中のマスコミの報道にもバラつきがあることを指摘しておきますか。故意に削り落としたいわゆる「偏向報道」なのか単に取材の詰めの甘さが原因なのかは知りませんけど。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ●ギョーザ薬物、人為的な毒物混入示唆 中国検疫幹部(asahi.com 2008/02/06/20:25)
 http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200802060392.html

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件について、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は6日、「中国での製造過程で人為的に毒物が混入された可能性はきわめて低い」とし、「中日関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」と述べた。

 魏氏は、訪中している日本政府調査団と北京市内で会談した際に発言。「食品安全の問題ではなく、人為的に行われた事件だ」と、故意の犯行との見方を中国当局者として初めて示した。製造元の天洋食品に問題はなかったとの考えを示し、「日本の調査団も異状はなかったと言っている」と、中国側の安全性の高さを強調した。

 日本側調査団長の原嶋耐治・内閣府消費者企画課長は「原因究明はできていない。再び調査団を派遣することもありうる」と述べた。日本側では、中国での製造過程で毒物が混入したとの見方が強まっており、日中間で見方の対立が表面化した形だ。

 ただ、同総局の王大寧輸出入食品安全局長は会談後、「魏副総局長が話したのは一つの可能性。極端分子は日本側かもしれないし中国側かもしれない」と釈明した。

 また王氏は、新たに混入が発覚した農薬成分ジクロルボスについても天洋食品の工場で07年6月3日製造のサンプルを調査し、検出されなかったことを明らかにした。
――――――――――――――――――――――――――――――
 これが模範例の「優」。ちなみに前にも書きましたが私はマスコミ報道については是々非々です。特定の何社(笑)かを念頭に「いかにも」「やっぱり」「反発は必至だ」などと揶揄ることはありますが、食わず嫌いはしていません。……それはともかく今回のこのニュースでは、

 (1)「魏副総局長が話したのは一つの可能性。極端分子は日本側かもしれないし中国側かもしれない」と釈明した。

 という最も肝心な一節が補足されているかどうかが最大のチェックポイント。さらに、

 (2)「原因究明はできていない。再び調査団を派遣することもありうる」と日本側が表明。
 (3)「日中間で見方の対立」と指摘したこと。

 の2点まで加えられているか周到さがあるかどうか。出揃った報道を並べてみました。電子版限定です。

 ◆(1)のみ。周到さに欠けるも、一応及第点。「可」。
 ●「過激派」関与の可能性も=日中関係破壊が狙いか-中国高官(時事ドットコム 2008/02/06/21:10)
 ●中国製ギョーザ:不満分子の可能性も…中国が「故意」示唆(毎日jp 2008/02/06/21:54)

 ◆(2)のみ。努力は認めるが(1)がないので「不合格」。
 ●故意犯の可能性に初めて言及 ギョーザ中毒事件で中国幹部(共同通信 2008/02/06/21:26)

 ◆(1)(2)(3)いずれもなく論外。「留年決定」。
 ●過激分子の犯行の可能性示唆 中国検疫当局(MSN産経ニュース 2008/02/06/19:47)
 ●中国政府、故意の毒物混入に言及・ギョーザ事件(NIKKEI NET 2008/02/06/23:08)

 やれやれひどいものですね。……あ、ただ中国取材班は「留年決定」(早ければお粗末でもいいのか?フォローのため続報は打たないのか?)の「MSN産経ニュース」ですが、国内ではいい仕事をしています。これは必読。

 ●ギョーザ事件の捜査に「中国の壁」 毒物特定も協力次第(MSN産経ニュース 2008/02/06/21:47)

 あと今回の「課題」とは関係ありませんが、呆れて物もいえないのはこれ。

 ●中国製ギョーザ:テレビ朝日の報道で中国語「誤訳」論争(毎日jp 2008/02/06/22:51)

 オマケに台湾にて転載・配信されたロイター通信の記事を。タイトルは台湾・中央通信がつけたのか暴走気味(笑)ですけど、「日中友好を望まない者=反日分子」というのはある意味本質をついているかも知れません。座布団一枚。

 ●水餃下毒事件 中國官員認係反日処ヘ子所為(中央通信 2008/02/06/21:32)

 ――――

 ちなみに、今回のタイトルにある「ヤパヲチ」の「ヤパ」はエスペラント語の「日本」(ヤパニーオ=Japanio)からとっています。「チナヲチ」の「チナ」(チニーオ=Chinio)と同じです。

「本当は支×ヲチにしたかったけど自粛。」

 とブログ名の下にあることを云々する人もいますけど、あれはあくまでも遊びです。最初に内緒でこっそりスタートした際に、

「くれぐれもアテにしたりしないように。」

 との二者択一で、当時の気分で面白い方を選んだだけのこと。まさかこんなにたくさんの方々が駄文にお付き合い下さるようになるとは、3年半前には全く予想していなかったので。

 それはともかく。「チナヲチ」を主旨とするブログが日中関係色の希薄な「ヤパヲチ」に傾くようでは、世も末というほかありません。orz
詳しくは、転載もとへどうぞ。

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php