NHKの「不都合な真実」

この記事の引用元は,「青木直人BLOG」です。
http://aoki.trycomp.com/2009/04/nhk.html

      NHKの「不都合な真実
                             2009年4月16日     青木直人
 「皆様のNHK」が放送した「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー」は日本の台湾統治の描き方が一面的な批判に終始しており、歪曲ぶりはあたかも、中国共産党の台湾観を彷彿させるようだとして、保守系団体を中心に激しい抗議を受けています。私もこの番組は見たのですが、ワンパターンの左翼教条主義史観そのもので、党派性だけが目につく最初に結論ありの「プロレス番組」そのものでした。
 
 台湾「植民地」問題は日本と台湾だけの間で論じられることでありません。オランダ支配による植民地時代や中国との関係など、多面的に論じられるべきでしょうし、日本の統治時代のひどさを俎上にあげるのなら、日本に代わって、台湾の新しい支配者となった中国国民党の統治の実態はどうであったのかも公平に検証されるべきでしょう。

 犬が去って豚が来た。台湾人がこう形容する日本と大陸の支配形態の違いも同時に伝えない限り、「台湾に生まれた悲哀」(李登輝元総統)の真の意味は理解できない。
 日本の戦前のアジア支配を否定的に論じる「インスタント・リベラル」たちは当時世界を覆い尽くしていた列強の植民地支配のパワーポリテックスに理解がいたらず、相も変わらず歴史を二カ国間の「道徳問題」だけで裁断しようとするのです。

 異民族による善政はありえる。そして生活者は同民族による圧政よりも異民族支配下の安定と繁栄を願うこともある。
これこそが、政治的リアリズムであって、
いや違うというのなら、そういう方々はGHQ占領軍という異民族による軍事的支配を背景にして誕生した現行憲法をなぜありがたがるのか、そのことを釈明していただきたい。日本国憲法マッカーサーの軍事的圧力の下で誕生した。護憲派は異民族による銃剣支配下の「善政」を支持しているのである。「平和憲法」とは被爆死した同胞の怨念の上に咲くあだ花なのだ。

 話は元に戻る。大笑いなのは米国製の憲法日本国憲法のことです・入力者注)をありがたがる連中が、このNHKの番組のように、日本の台湾統治だけは「非人間的」「差別」「帝国主義的」と断罪することである。
彼らは白人の帝国主義支配はOKでも、日本の「軍国主義的」支配は許さないと強弁するのである。気が狂っているのではないのかね。なぜなら、こうした思考パターンこそ、正真正銘のレイシズムに他ならないからである。
 日本の台湾統治は問題だが、マッカーサー中国共産党の支配については手を触れない。「皆様のNHK」はいま、ジャーナリズム精神とほど遠いところにいる。
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