富田メモ余話2


2006.08.03 Thursday
富田メモ皇室典範改正問題
まずは前回の補足から

> 靖国神社が勝手にA級戦犯合祀をしてしまった。

というところですが、宮司は事前に報告をしたはずだ、あるいは、報告したらしい、という議論がプロの世界において始まったそうです。

ここで引っかかるのが「親の心子知らず」というメモに書いてあった言葉です。

卑近な例で申し訳ないのですが、ウチの親父なども「言葉で言わなくたって、そんなことぐらいわかるだろう」なんて事をよく言うんですが、それを思い出しちゃいましたね。 「それぐらい察しろよ」ということなのでしょうが。 超能力者ぢゃないんだから、そんなのわからないよ、なんて。 < つくづく俗人

まあ、そんなこたあどうでも良いんだけどw

昭和天皇の場合、敗戦直後ということもあり、かなり立場が微妙だったのではないでしょうか? だから殊更、明確に言葉には出せなかった、のかも知れません。

いずれにせよ、今後の展開を待ちたいところです。

さて、いよいよ今回が大詰め。 佳境も佳境、裏に隠されたコワイところへと入ります。 皇室典範改正問題の裏にはどんな謎が隠されていたのでしょうか?
・・・と言いつつ、いきなり核心部分に入る。

今、女帝を立てる論がありますが、私は大反対です。 天皇の戸籍である皇室典範を戦後憲法の枠組みに入れたことも間違いだと思います。 あれは家法なのですから。 敗戦後、天皇制と日本歴史を全く考慮せず、日本政府と自民党天皇家のあるべき姿を変えてしまったことは残念です。

マッカーサー天皇家を残したと言いますが、実は残さなかったのです。日本政府はマッカーサーの進駐政策に屈し、結果的にキリスト教的ルールを受け入れ、天皇家に一夫一妻制度を求めましたが、これは取り返しのつかないほどの誤りなのです。

敢えて言いますが、先帝陛下は日本天皇としてこれ以上ないほどの責任を取っています。 先帝陛下は皇室典範で最も重要な一項「庶系、庶出であっても男系であれば皇位継承を認める」を、昭和21年のアメリカ政府干渉による皇室典範改正で「皇位継承を認めない」とされても何も仰りませんでした。

先帝陛下は大日本帝国の敗北に対して、祖宗の大権の未来永劫の継続に終止符を打ったんです。 にもかかわらず、先帝陛下の戦争責任を未だにとやかく言う人がいるのは理解できません。 こういう人達は、二千六百年以上にもわたる祖宗の大権を、日本歴史の中でどう位置づけているのか理解不能です。 いずれにしても、私は戦後の皇室典範の改正は日本歴史の中で最大の事件だと思っています。

皇室典範改正って、昭和21年にもあったのか!

知らなかったっすよ。

しかも、それって忠臣蔵の赤穂浅野家のお家断絶と同じ処分って事じゃん。

っていうか、天皇家は一夫一妻制じゃなかったなんて事も全く知らなかった・・・。

でも考えてみれば、そりゃそうだよなあ。 そうじゃないと何千年にもわたって万世一系なんて出来ないものね。 しかも、血さえ繋がっている男子であれば、大嘗祭天皇霊降臨できるものね。

ということは、もし女帝が誕生するとなると・・・。


アメリカは日本の学者からも聞いて日本の神国思想と日本の国体護持がどういうものであったかを熟知していたはずです。 天皇天皇である所以は男系の皇統であること、つまり、一夫一妻制を組み込めばいずれこの国から天皇が途絶えるのは明らかだということをよく判っていて、天皇家の最も大切な枠組みを壊した上で、天皇制と天皇を抹殺しなかったのです。

つまりアレか。 生かさず殺さずで、蛇の生殺しってやつですか。 しかも表では賞賛(?)されるようにして、その実裏では・・・、ってことか。 さすがメリケン、やることが用意周到。

いうなれば、天皇制に仕掛けられた時限爆弾が、今まさに爆発する刻限を迎えたわけか。 ・・・って、それってとんでもなくマズイ状況じゃないか!

・・・ちょっと待てよ、・・・ということは、

ええ~? じゃあ、コイズミさんがやろうとした皇室典範改正って、そういうことだったの!?

こんな事知らなかったから、女帝でも良いのかな? なんて漠然と思っていたけど、何千年もの歴史を誇る天皇家の終焉を意味する、とんでもない事だったんじゃん!

危うく占領軍の総仕上げに荷担するところだった・・・。

WGIP(War Guilt Information Program)の成果か。


皇紀が正しいのかどうかはともかく、辛酉思想で聖徳太子が神武紀元を定め二千六百五十年余りの歴史を繋げてきた日本の歴史を、平成天皇は自分の代で終わりにしようとしているような気さえします。 キリスト教的な考え方からするととんでもないことのように思われるでしょうが、私としては、一刻も早く皇室典範の条文を元に戻し皇太子・秋篠宮が複数の妃を持ち、男系天皇の奇跡を継承してくれることを願っています。

こういう所ってジェンダー論者が食いつきそうだね。 狭い常識(思いこみ)に囚われて、何のかんの言いそう。

でも、もともと皇室典範って天皇家の規則(家法)だったわけでしょ? それを他人がとやかく言うのもおこがましいって言うか、大体なんでそんなものを国会で決めるわけ? 今気づいたけれど、そんなことは絶対に変だよ。

人質というか、首に縄を付けたようなものじゃん。

天皇を形骸化させて、その力を自分のものにしようとしたとか?

もうアレだ、あの天皇の象徴制っていうのはやめにしよう。 妙なやつらがまたおかしな事をはじめる前になんとかしないと。

ちなみに、あの時女帝論に賛成していたのは、中曽根元首相、加藤紘一元幹事長、山崎拓氏、神崎武法氏、小沢一郎氏、菅直人氏、小泉純一郎氏。 「日本には日本の伝統もあるし、そんなことは余り深く考えたことはないのでね。さしあたってどうこういうことは考えていない」と唯一慎重な発言をしていたのは福田元官房長官だけというありさま。


今の皇太子は雅子妃以外に妃を持つべきだと思うし、日本の歴史のためにそれを国民が願うべきだとも思います。 最近の右翼や民族運動の人達がどうしてそれを正面切って主張しないのか不思議ですね。 天皇家の家法である皇室典範が、何故一夫一妻制度にとらわれるのか。

天皇に日本国民の義務や常識を求めるのは、日本歴史をよく理解していない人たちです。 天皇は日本の国でたった一人の日本人なんです。 たった一人の日本人であるからこそ日本国民としての義務は不要で、納税、戸籍、選挙、苗字、パスポート、何もないのです。 これがどうして同じ日本国民だと言えるのでしょうか。 たった一人の日本人だから天皇であって、天皇だからこそ、全ての日本国民と等距離にあるということが判っていない人が多すぎます。

天皇は働きもしないのに、国民の税金で暮らしてるんだって、とんでもないよね」って言ってた人がいたなあ。 そういうことだったのか。 知らないからこそ言えることだったのか。

・・・「知らない」って、オソロシイな。

自分の物差しで他を測るっていうのは、物凄く危険というか。 無知な愚か者が国を滅ぼすとか、なんかそんな格言無かったっけかw?


英国の皇統と日本の皇統は全く異質で、比較すべき対象ではありません。 英国は皇統というものをきちっとしたロジックで支えていますが、日本の皇統はロジックなしです。 ロジックどころか、神社の御簾の向こうには何もないんです。 神道とは何もない空間、天皇も実体のない空間、そして日本国民そのものにも、ロジックに支えられた実体などありません。 実体が存在しない天皇教の信者が日本人であり、それが国家を成していることが日本の奇跡であり、神の国と言う所以なのです。 その天皇教がキリスト教的ロジックに影響されておかしくなりつつあるのが今の世の中だと思います。

よく日本には国家観がないとか、日本は国家たり得ないっていう議論があるけど、なるほどね、そういえば日本て全然ロジカルじゃないものね。 それは悪いことだって思わされてきたけど、そうじゃなかったんだ。

何もない=空(カラじゃないよ、色即是空の「空」ね)のような。 侘・寂とか、幽幻とか、そういう「形にならない」ものこそが日本的な独特な世界観だものね。

大事にしたいなあ。

英国王室と言えば、1066年のノルマン王朝のウィリアム1世からその歴史は始まるんだよね。 まだ千年経ってないんだ・・・。

あれ? ってことは天皇家って世界で一番古い皇統なんだ。 それって誇るべき凄い事なんじゃないの?! 

っていうか、そんなこと言ったら英国王室が嫉妬したりして・・・。

え? アメリカの後ろにいたのはイギリス・・・?



日本の無形文化財が全く無意味なのは、真の無形文化財天皇の所にみんなあるためです。 男鹿のナマハゲや中尊寺で見た鹿踊り、各地の色々な無形文化財を拝見しましたが、天皇家の一日一日の神事の方がどんな無形文化財よりも勝っているとしか思えません。 大嘗祭新嘗祭神嘗祭をみたことはありませんが、これらは明らかに全て無形の国の宝です。 天皇の文化を抜きにして、いくら日本中の無形文化財を大事にしたところで、伝世主体の日本文化の保護にはならないですよ。

古代からの時間を途切れず繋げているのは天皇家だけなんです。 つまり、天皇家と日本の無形文化財はイコールなんです。 極論を言えば、天皇家以外に日本の無形文化など存在しません。

じゃあ、世界最古の皇統を誇る天皇家が滅んでしまったら、日本は同時に文化をも失ってしまう・・・。


天皇と日本の全ての文化は同義なんです。 天皇の定義を無視すれば日本の文化はみんな崩れてしまいます。

日本の文化を守る道を取るか、それとも(英米的な)常識を取るか。


さあ、あなたはどちらを選択します?











*引用は全て「日本史鑑定―天皇と日本文化」より*