ヘンリー・S・ストークス「日本人は日本を見直そう」1 憲法

ヘンリー・S・ストークス(2013)『英国人記者が見た 連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書)はよく売れた本らしいが、私は最近読んだ。
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ヘンリー・スコット・ストークス
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 日本外国特派員協会は、マッカーサーの日本占領と同時に設立された。理由は、アメリカによる日本占領がいかに正しく、人道的であり、歴史の偉業であるか、全世界へ向けて報道させるためであった(p.71)。

アマゾンの書評にこういうのがある。
欧米主導の世界における日本の立場、日本を取り巻く環境がよくわかる本です。
 これを読んで、欧米の日本に対する態度がなんとなくおかしいという、今まで感じていた理由がわかるような気がしました。日本が力を持つことや国際社会で認められることは、欧米や中国にとって今までのプロパガンダが無に帰することになるのでしょう。それを阻止するために、いろいろ揺さ振りをかけてきたのだと思います。            投稿者  袴田雅信   投稿日 2015/3/7
私も、この視点(戦勝国利権の維持・補強をめざすメンテナンス)に注目している。そこで・・、
 「日本人は日本を見直そう」と言うのは終章の題目なのだが、その終章の中から二題ほどご紹介したい。

「強調文字や改行や写真」は私が編集したが、
本文はあくまでも著者・ストークス氏の意見である。

 以下、引用はじめ。
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日本の敗戦後遺症と憲法問題

 韓国の大手新聞社の論説委員が社説で、日本が原爆を投下されたのは、日本が犯した罪の報(むく)いだと書いた。
とんでもないことだ。
 アメリカも原爆投下を、正当化してきた。
原爆投下が戦争を早期に終結させ、多くの人命が救われたというのはウソだ。
戦争を早く終結するために、原爆を用いる必要はまったくなかった。
 日本側にもおかしいことがある。
どうして原爆を落とされた側が、「過ちは二度とおかしません」と誓わなくてはならないのか。
謝罪すべきは、アメリカだ。
東京裁判でのアメリカ人弁護人が抗弁したように、
裁かれるべきは、アメリカだ。
アメリカが原爆投下について、謝罪したことはない。

 米国上院外交防衛委員会などでのマッカーサーの発言は、
東京裁判が不正だったことを、マッカーサー本人が認めたものだ。
マッカーサーは朝鮮戦争を戦って、初めて日本が自衛戦争を戦ったことに、気づかされた。
日本の主張が正しかったことがわかった。

ドイツは早い段階で、謝罪をしている。第二次世界大戦が終わると、謝罪することによって仕切り直して、戦後が始まった。
なぜ、日本はドイツのように対応できなかったのだろうかという議論がある。

 だがヒトラーのドイツは、全ヨーロッパを覇権のもとに置くために、征服戦争を戦った。
日本は自衛のために追い詰められて、やむにやまれず立ち上がった。
日本はマッカーサーが言ったように「自衛戦争」を戦ったのだから、詫(わ)びる必要がなかった。

 ドイツはヒトラーユダヤ人に対して犯した罪が明白だったので、謝罪しやすかった。
そのために、ニュールンベルグ裁判も、短期間で結審した。
日本にとっては、史上初めての敗戦だった。どのように受け止めていいのか、わからなかった。
しかし、
敗戦から68年の歳月が流れている。いい加減に敗戦後遺症から、脱却すべきだ。



 日本国憲法原文の英文がある。
占領下で憲法を強いたのは、国際法違反だ。
マッカーサーはわずか一週間で憲法を作った。その作業にあたったスタッフには、憲法の専門家がいなかった。国連憲章などを参考にして、作文した。
 日本国憲法は日本を弱体化し、二度と戦争を起こすことができない国にする
降伏条約
だ。
憲法の前文は日本を絶対に再びアメリカに対して戦えない国として、誓約させた意図が、ありありだ。




 スタッフのなかに無学な、若いユダヤ・ドイツ系の女性がいた。法律については、まったく無知だった。

この一家は日本によってナチスの迫害から救われて、日本にやってきた。

両親は音楽家だった。彼女はたった一人で、憲法草案の、女性の権利に関する条項を書くことを任せられた。

 彼女、ベアテ・シロタは日本に対する大恩をそっちのけにして、
日本の生活文化を破壊して、浅はかなものに置き換えたことを、晩年まで得意気に自慢した。
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ベアテ・シロタ・ゴードン
日本ほど、女性が恵まれている国はない。
だから女性の平均寿命が、世界のどの国よりも高い。
ベアテは占領軍に媚(こ)びて、日本の女性が男性から虐待されていると、偽った。




 いま日本では、日本国憲法についての出版ブームが起きて、書店に関連本がたくさん並んでいる。
日本国憲法は、日本人によって「平和憲法」と呼ばれているが、
前文を冷静に読んでみれば、「属国条約」であることがよくわかる。
前文で約束させられていることは、「日本国民はその生存をアメリカに委(ゆだ)ねる」ということだ。
 こうしたアメリカの保護領として日本の立場を変えさせないための枷(かせ)が、
国会の三分の二以上の賛成を得ないと改正することができないとする第九十六条だ。










 三島が市ヶ谷で生命を賭(と)して訴えたことは、
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「日本が魂を捨てて、アメリカの傭兵であり続けてしまったら、日本でなくなってしまう。日本が占領下で強要された憲法を護っている限り、独立できない」
ということだ。





 日本は自国の歴史と伝統のうえに立って、自主憲法を制定し、国軍を持つべきだ。

日本がそれなくして独立国家となることなど、

あり得ないことだ。

しかし今日の多くの日本人が、それなしでもあり得ると思っている。
しかしそれは、
あり得ない、
のだ。
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引用、おわり。