「アメリカの自滅と日本の自殺 (1)」 西部ゼミ2012年11月3日

 2012年11月3日の放送で、
少し古いですが示唆に富む内容です。


アメリカは敵を悪魔化する  
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欧州各国が主権国家として参加したので、
近代の国際政治はこの条約から始まったと言える。

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左から、タレーラン・ペリゴール(ブルボン家代表)。 次、カスルリー卿(イギリス代表)。 次、フランツ1世(オーストリア皇帝)。
次、アレクサンドル1世(ロシア皇帝)。 次、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(プロシア王)。
 次、ザクセン王フリードリヒ・アウグスト1世(ナポレオン側についた)。最後、フランス共和国の寓意。
会議は踊る、されど進まず。
武力の均衡で欧州の安定を保とうとした。
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パリ講和会議(1919)に乗り込んで来た。
アメリカは、ヨーロッパ諸国の戦争に対しては中立策をとっていた。それは1823年のモンロー教書によって明確にされたのでモンロー主義とも言われ、外交姿勢の基本となった。19世紀末にアメリカが世界の大国になると、ヨーロッパへの不介入という孤立主義を維持しながら、ラテンアメリカさらには太平洋方面に進出し、1898年の米西戦争でフィリピンなどを殖民地とする帝国主義国家になった(アメリカの帝国主義)。
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   平たく言やあ、「西半球は俺のモノ」宣言
孤立主義をを公約にし、ヨーロッパ列強の対立から中立を守っていたウィルソン大統領は、ドイツの軍事行動がつよまると、途中から「民主主義の擁護」の美名のもとに第1次世界大戦に参戦し、孤立主義をやめて国際協調を提唱して戦後国際社会のリーダー(覇権)をめざした。しかし、議会の反対で国際連盟に加盟できなかった。

日本ではウッドロウ・ウィルソンフランクリン・ルーズベルトは「武力による均衡」をやめて国際協調による世界平和を進めたとして過大評価されてきた。特に、東大教養学部アメリカ学科において顕著であった。

イメージ 10トーマス・ウッドロウ・ウィルソン   
Thomas Woodrow Wilson
大統領任期
1913年 – 1921年


Franklin Delano Roosevelt ,
任期
1933年3月4日 – 1945年4月12日
ところが、この二人の過剰な空想的理想主義が現在のアメリカの一極支配を造った元凶として指弾されている。

イメージ 12ジョセフ・サミュエル・ナイ・ジュニア
(Joseph Samuel Nye, Jr.、
1937年1月19日 - )は、アメリカ合衆国国際政治学者ハーバード大学特別功労教授アメリカ民主党政権でしばしば政府高官を務め、知日派としても知られる。
しかし、ジョセフ・ナイこそは、国際協調を謳いながらアメリカの一極支配をねらう人物で、彼の耳障りの良い表現は「アメリカの一極支配」を達成するための手練手管に過ぎない。
2003年のイラク戦争国際法違反だった。

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          イラク人母子の死体に「反乱参加者」のレッテルを貼ろうとする傭兵。ポケットは札束で一杯だ。

          走り寄ろうとする「正義の女神」の邪魔をするアメリカ。

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ジョセフ・ナイイラク戦争を支持することで、馬脚をあらわしたのである。

 こんな話がある。
 ジョセフ・ナイ著『対日超党派報告書』である。アメリカが日本と中国を戦争させてうまい汁を吸うという計画である。
俄然、この話にリアリティが出てきたではないか。

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「ブッシュの手下」で疑問がない小泉。独自の情報で判断し、謝罪するブレア。
政治家としての両者には、落差がありすぎる。これが、「我が日本国民」の姿でもあるのだ。


世界のGDPに対するアメリカのGDP比
                  1945年        50%
                  1950年代       40%
                  1971年        30%
                  2001ー2009年    20%
                  2012年        18%

 アメリカの経済は衰退している。それにもかかわらず、アメリカが世界を一極支配しようという姿勢は変わっていない。それは、アメリカの軍事外交の専門家とマクロ経済の専門家が、意見交換をしていないからである。
 スティングリッツやIMFは、10年以内にドルショックが起こることを警告している。

 ところが、日本人(政治家・官僚・経済界・マスコミ・教育界)はアメリカに盲従しているのだ。

私のコメント
 私は日本人の自尊心の点からWGIPや東京裁判史観を批判的に話題にしてきた。
「日本悪玉論」や「アメリカ様万歳」は、軍事や経済の点で戦後の国際社会では「しかたがない」という面もあった。ところが、アメリカの衰退で世界は変わりつつあるのだ。
もはや、「東京裁判史観」では日本を維持することはできなくなったと、知るべきである。

20161028