中国は気象も国家機密?


 前記事で話題にしましたが、
「日本の酸性雨の原因物質の半分は中国が発生源だ、という事実は1995年に分かっている」
ということでした。
 酸性雨については、次のHPを順にめくると、分かりやすく理解できます。
  http://www.virtualglobe.org/jp/info/env/03/acid01.html
 ヨーロッパでは、深刻化する酸性雨に対処するため、「長距離越境大気汚染条約」が採択され、1983年に発効されました。東アジアでも同様な問題が起きて、日本・中国・韓国・インドネシア・ロシア・マレーシア・タイ・ベトナム・モンゴル・フィリピンの10カ国が参加し、「東アジア酸性雨モニタリング・ネットワーク」を設立し、2001年から本格稼働を始めました。
上のHPを順にめくる時間のない方は、次をご覧下さい。
  http://www.virtualglobe.org/jp/info/env/03/acid09.html

東アジアでも、酸性雨の原因物質(イオウ酸化物)の「国際的な排出規制への動き」が始まった
ということです。


 さて、ここで、2007年1月13日の産経新聞7面の記事です。なんとなく気になるので、保存しておきました。それが、次に紹介する「表題」の記事です。
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    中国は気象も国家機密?
 中国政府は2007年1月から外国人が許可なく中国国内で気象観測を実施したり、気象台を設置したりすることを禁止する
「気象探測・資料管理規定」
を施行した。中国の国家機関での勤務者、外国人双方に適用され、違反者は秘密漏洩(ろうえい)やスパイなどとして処罰される可能性がある。
 同規定は「中国保守国家秘密法」「中国国家安全法」などに基づいており、違反者は国家安全部門などにより刑事責任を追及される。規定によると、外国の組織または個人は、中国の領土または直轄する海域で気象観測したり、気象資料を譲渡したりする際は、規定を順守する必要がある。直轄海域の範囲は不明だ。
 外国の組織などに提供する際も、批准が必要。
中国と外国の両組織が気象観測する際は、厳格な要件を満たす必要がある。
                                        (北京  野口東秀)
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なんだか気になりますねえ………。
あの、「日中記者交換協定
  http://blog.goo.ne.jp/paradisemaker/e/a8ce6949b815780e98016fa0cf9532d3
で日本のマスコミを検閲し、中国政府に都合の悪い情報は外に出さない、というやり方をホウフツとさせる…。

今度は「国際的排ガス規制」に備えて、都合の悪い気象データは公開しない気なんだろうなあ。
データそのものが採れない場合も……。
抜け目なく狡猾でセコイ独裁者・中国政府のやることだから、ズボシでしょ?

 日本の気象研究者にとっても、中国政府のご機嫌そこねたら国際的研究プロジェクトが動かない。中国のデータが入らなくなれば論文を書けずに、出世(大したことではなく、「給料が上がらない」と言う事です)できなくなる者も出てくるだろう。中国政府に嫌がらせを受けたらやりにくくなるから、中国政府におべっかつかうか、当たり障り無い分野しか研究しなくなる者も出て来るのではあるまいか?

 そもそも、これまでにも日本の気象屋が
「中国に大量発生する大気汚染物質の危険性」について、
日本国民に対して大々的に警鐘を鳴らしてこなかったのは、そうしたハラがあったのではあるまいか?
なんて、思うのでありますなあ。

 ともかくも、「2007年以後の中国の気象データ」については、要注意です。
なにしろ、衛星観測以外のデータは「中国数字」入りの「中国政府お墨付きのデータ」ですから。