「5月17日、黄砂襲来の予報」とその結論
「地表から高度1000mまでの黄砂の濃度の平均」を表したもので、出典は以下です。
「アニメーション」クリック→「Movie ON」クリックで、黄砂の移動を見ることができます。
今年の4月1日にも、黄砂が赤い状態(最高濃度)で九州から東北地方へ到達しました。
しかし、被害報告は1日には少なく、2日から3日に広く報じられました。1日に上空へ到達した黄砂が、2日には、上空から地表へ降りて来たものと考えられます。
しかし、被害報告は1日には少なく、2日から3日に広く報じられました。1日に上空へ到達した黄砂が、2日には、上空から地表へ降りて来たものと考えられます。
予報は時間によって変わりますので、表示した図の通りにならないかも知れません。また、
「雨が降る(黄砂が雨滴の核となって地表に落下する)か降らないか」、「強い風が吹く(黄砂が地表に降りずに上空で吹きはらわれる)か吹かないか」によって、
地表の人間に与える被害の程度と性質が違うことが、こうもりさんから報告されています。
黄砂の高濃度域は、5月16日15:00現在、九州の西にある低気圧から南西へ伸びる寒冷前線に沿って、飛来するように見えます。前線面は、雨域となるのが普通です。
寒冷前線の後ろから黄砂が飛来するのであれば、今回の襲来は「赤い最高濃度の割には」黄砂の害は低いのではないかと思います。
黄砂は雨滴の核となって落下し、地表付近の空中の黄砂濃度は上昇しないことが予想されます。
ただし、雨滴に含まれる黄砂は粘土質なので、屋外のものが汚れることが考えられます。
黄砂は雨滴の核となって落下し、地表付近の空中の黄砂濃度は上昇しないことが予想されます。
ただし、雨滴に含まれる黄砂は粘土質なので、屋外のものが汚れることが考えられます。
でも、寒冷前線が遠ざかって雨が止んだあとは、どうなるのか分かりません。
ここで、上から3番目の5月17日9:00の予想天気図を、加えました。
一番上の黄砂濃度分布予測図と同じ時刻です。
17日は、低気圧の影響で、中部日本以北は、風が強そうです。ここで、上から4番目の5月17日9:00の硫酸塩エアロゾル(酸性雨の原因物質)濃度分布予測図を、加えました
5月17日に降る雨は、基本的に中国発の酸性雨ですが、黄砂が「中和的」に働くかも知れません。 黄砂は雨で落下するか、強風で吹き払われ、真っ赤な「最高濃度」の割には黄砂の害は少ないことが期待されます。
これって、ひょっとして「神風」?
ここで、上から5番目の5月17日8:00の雨域分布予想図を、加えました
雨の通り過ぎた西日本で、黄砂がどういう動向を示すかが気になります。東日本では、雨と風で、黄砂の害は大したことはないでしょう。
ここで、上から6番目の5月17日15:00の黄砂の濃度分布図を、加えました
東京の私の所からは、7~8Km先のビルは雨上がりのせいか少し霞みますが、視程は悪くありません。黄砂本体の東京到達は、まだのようです。どうやら、東日本では、黄砂の到達する前に、雨が降り終わってしまったらしい。さて、どうなることやら…
図からは、風はあるものの、西日本がスゴイことになっているのですが、皆さんの所はいかがでしょうか?黄砂の進み方を見ると、太平洋側では時速50Km弱ほどの風が吹いているようです。
ここで、気象庁のHPから、上から7番目の「月別黄砂観測日数平年値」と8番目の「年別黄砂観測日数」を、加えました
「月別」は、黄砂が観測された日数を月別に集計し、30年間で平均した値です。1番:4月、2番:3月、3番:5月の順ですね。
「年別」は、国内98地点の目視観測の日数です。年間変動が大きく、長期的な傾向は明瞭ではありません。しかし、私の目には、「2000年から増えた」カノヨウな傾向にあると見えます。
大阪のれおんさん:17日昼頃、黄砂で目がチカチカした。
関東のこうもりさん:17日、雨が降っている内はよいが、地表が乾燥してしまうと、薄くモヤが見え、喉が痛んだ。
現在、18日19:00ですが、18日18:00の黄砂の画像を9番目に加えました
マスコミからは、黄砂について何も聞こえてきませんが、黄砂はまだ高濃度で日本列島の上にあります。しかし、18日は17日ほどではありません。
今回、黄砂の害について、次のお知らせを受けました。大阪のれおんさん:17日昼頃、黄砂で目がチカチカした。
関東のこうもりさん:17日、雨が降っている内はよいが、地表が乾燥してしまうと、薄くモヤが見え、喉が痛んだ。
第7図によって、1971年~2000年では、3.9日が5月の黄砂観測日の平均日数です。これは、気象庁の目視観測によるもので、精度は高くありません。今月は13,14日、17,18日と、すでに4日間、赤い最高濃度の黄砂が日本をおおいました。
1971年~2000年の平均に比べて、黄砂の日本への飛来は、規模と頻度が増大していると見て間違いないでしょう。
1971年~2000年の平均に比べて、黄砂の日本への飛来は、規模と頻度が増大していると見て間違いないでしょう。
さて、今回の結果を、「黄砂被害の予測法指針」として、以下にまとめます
「黄砂の害」を左右する要因
(1)黄砂の飛来とその濃度
黄砂の飛来は、初めに書いた通り、次の「黄砂の予想分布」で約30時間先まで予測できます。
http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/dust/dust_gpv.html こうもりさんのお話から、「黄砂の害」は雨と風によって軽減されます。
(2)雨(黄砂は雨滴の核となって地上に落下するようで、雨の時は空気が清浄化される)
雨域は、次で、約6時間先まで予測できます。
http://www.bioweather.net/amedas/amedas0.htm
(3)風(黄砂は、高さ数百mから千m前後で飛来するようです。それが落下してくるから被害をこうむる訳で、落下せずに吹き流されれば、被害は軽くなります。どのくらいの強さの風かは確言できませんが、「黄砂の予想分布」図に「風の強さ」は示されるし、同図の黄砂の移動速度からも、およそ分かります。)
(2)雨(黄砂は雨滴の核となって地上に落下するようで、雨の時は空気が清浄化される)
雨域は、次で、約6時間先まで予測できます。
http://www.bioweather.net/amedas/amedas0.htm
(3)風(黄砂は、高さ数百mから千m前後で飛来するようです。それが落下してくるから被害をこうむる訳で、落下せずに吹き流されれば、被害は軽くなります。どのくらいの強さの風かは確言できませんが、「黄砂の予想分布」図に「風の強さ」は示されるし、同図の黄砂の移動速度からも、およそ分かります。)
天気図で、等圧線の混み具合から予想する手もあります。天気図は、次で2日先まで予測できます(もっと先まで予測するリンクもありましたが、忘れました。あまり先だと、アテになりません)。
http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/images/chart.html?c=72 (結論)黄砂被害が最大になるのは、「高濃度の黄砂の飛来」と「晴天無風」が重なる日
今年の4月1日に、黄砂は赤い最高濃度で日本上空に飛来しましたが、1日はまだ多数の被害報告はなく、2日になって広く各地で被害が報告されました。その後も、黄砂は赤い濃度で何度か飛来していますが、4月2日ほどの被害報告はありません。2日は、日本が高気圧におおわれ、風弱く晴天だったため、上空の黄砂が地表に落下してきたものと考えられます。最悪のケースは、朝鮮半島辺りまで黄砂が高速で吹き飛ばされて来て、日本上空で晴天無風となって、落下を始める場合です。
黄砂による大気汚染は、「視程10Km」を基準にして良いと思います。つまり、「肉眼で10Km先の物が、はっきり見えるか、どうか」を、目安にするということです。
「視程5Km」を切ると、かなりひどい大気汚染と言えます。
ちなみに、今年4月の視程観測の結果は、新聞によれば以下です。
4月1日
2Km:鹿児島市
3Km:新潟市
4Km:下関市・宮崎市
5Km:金沢市・松江市・熊本市
4月2日
2Km:岡山市
3Km:名古屋市・津市・大阪市・神戸市・広島市
3.5Km:松江市
4Km:岐阜市・京都市・奈良市
4~5Km:和歌山市・高松市・松山市
6Km:仙台市
7Km:東京都
「視程5Km」を切ると、かなりひどい大気汚染と言えます。
ちなみに、今年4月の視程観測の結果は、新聞によれば以下です。
4月1日
2Km:鹿児島市
3Km:新潟市
4Km:下関市・宮崎市
5Km:金沢市・松江市・熊本市
4月2日
2Km:岡山市
3Km:名古屋市・津市・大阪市・神戸市・広島市
3.5Km:松江市
4Km:岐阜市・京都市・奈良市
4~5Km:和歌山市・高松市・松山市
6Km:仙台市
7Km:東京都