「5月26日・黄砂予報」とその後
5月26日、黄砂が日本上空へ達する予報がでました。
図は、左上から
図1. 5月26日・9:00の予想黄砂濃度分布図(5月25日・23:00現在)
図2. 5月26日・9:00の予想天気図(5月25日・23:00現在)
黄砂は、今、日本を通過中の低気圧の後ろからやって来ます。
日本に黄砂が降る条件
(1)黄砂が日本上空に到達する
(2)晴れて風の弱い天候になる
5月26・27日は、この条件を満たすと予想されます。
5月26日9:00の時点では、黄砂は関東以西に降ると考えられますが、等圧線の幅が広く風が弱い
九州・四国地方は特に黄砂が多く降ると予想されます。
黄砂アレルギーなど、黄砂の害→http://www.okadaue.com/health/e58.htm
こうもりさんの記事をヒントに全球化学天気図のオゾンを調べてみると…、
「大変だあ!今年で2発目の中国発・光化学スモッグがあるかも…」。
ここで、図3と図4を追加。
図3. 5月26日6:00~27日0:00のオゾン濃度分布予想(全球化学天気図より)
図4. 5月26日予想最高気温
オゾンは、光化学スモッグの直接的な原因物質です。
最高気温 25℃以上
日照時間 2時間半以上
風 弱い
これらの条件がある時に、発生しやすい。
図3より、中国発のオゾンが26日正午前後に、関東地方以西を高濃度で覆うことが予想されています。これらの地方で、上の条件を満たす地域は、光化学スモッグが発生するおそれも出てきました。
光化学スモッグ発生のメカニズム→http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/ox/bunpu/meca.htm
光化学スモッグについて→http://www2.health.ne.jp/library/5000/w5000479.html
ちなみに、今年5月8日、中国発・光化学スモッグ第一号・発生時のオゾン濃度分布図を図5と図6に挙げておきます。
図5 今年5月8日のオゾン濃度分布(全球化学天気図より)
図6 地上オゾン濃度のシミュレーション結果(同日のデータ・朝日新聞より)
5月26日は、5月8日よりも、オゾン濃度が高いですね。26日が「好天・風弱く・高温」なら、
中国から「黄砂」と「光化学スモッグ」のダブルパンチを受けることになります。
環境省黄砂飛来情報→http://soramame.taiki.go.jp/Kousa/index.php?que=date
このHPの1ページ目・右側の「このページの特徴、見方」をクリック。
「3.高度別黄砂濃度の見方」に、図7の見方が出ています。
図7 黄砂の時間高度分布図(長崎)
長崎では、25日19:00頃から黄砂が降下し始め、26日0:00頃から激しくなっています。しかし、最高濃度(赤い部分)は地上約100mから上にあって、厚みを増しながら5:00頃には上部は高度1500m付近に達し、風に流されているようです。
図8 黄砂の時間高度分布図(松江)
松江では、26日7:00頃から、高濃度の黄砂が降っている(26日14:00現在)。
黄砂降る
大社の千木を
思ひけり……
5月26日・まとめ
日テレ26日18:00ニュース:
「本日、鳥取市では午前8時頃から黄砂にみまわれ、一時は視程7Km」。
NHKニュース
「本日、松山市では黄砂にみまわれ、午後3時で視程6Km」。
他ブログのmomongaさんのコメントより
「今日、昼過ぎに大阪から神戸方面を見ると、視界が悪かった」。
(1)今回は、視程から、今年4月1~2日の全国的黄砂被害より、被害は軽い。
(2)光化学スモッグ、発生の報告なし。
西から高気圧に覆われてくるので、近畿以西で引き続き27日(日)も、黄砂被害が出る模様。
九州周辺は被害が長引き、28日(月)も黄砂が滞留・降下する見込み。
27日は全球化学天気図によれば、26日同様、オゾン濃度が高く、高温になるので、光化学スモッグ発生のおそれあり。
以下は、5月27日の記述です。
27日正午過ぎに、コーヒーさんから
「北九州市に光化学スモッグ注意報発令」
のTBが入りました↓。
光化学スモッグの発生メカニズムを簡単におさらいすると以下になります。
オゾン前駆体
窒素酸化物など―(紫外線)→光化学オキシダント(90%以上の主成分はオゾン)→高濃度になると光化学スモッグ発生
図9の図2 大陸起源のオゾンは、以前は春に濃度が最大になったが、最近では紫外線の強い夏に濃度が最大になっている。これが、日本に光化学スモッグを起こしている。
図9の図3 窒素酸化物放出量は、日本では横這いから減少しているが、中国・韓国では増加し続けている。大陸起源の窒素酸化物増加が、風下の日本で光化学スモッグを引き起こしている。
以上、図9の出典→http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/041206/index.html
図10 2007年5月27日6:00~5月28日0:00の、地表におけるオゾン濃度予測分布図(全球化学天気図より)。
なお、同時刻の窒素酸化物(窒素化合物)分布図は、↓のコーヒーさんのTB冒頭に図示されています。
コーヒーさんの窒素酸化物の分布図と図10を見ていて気づいたのですが、どうもこういうパターンのようです。
中国・韓国に午後から夜にかけて窒素酸化物が溜まる→
それが西風で日本上空へ運ばれて来る→
日本で午前の紫外線を受けてオゾンが発生→光化学スモッグ!
中国・韓国発の窒素酸化物などのオゾン前駆体が、北九州市に「光化学スモッグ注意報を発令」させたと言えます。
図10では、27日午前中に、高濃度のオゾンが九州から関東を覆っていますが、では、なぜ、北九州市からしか「注意報発令」がないのか?
(1)情報がまだ入っていないのではないか?。
(2)中小の市町村では、北九州市ほどの観測体制が整っていないのではないか?
(3)地域により、日照・気温・風向・風力が異なるので、光化学スモッグの発生は一様ではないのではないか?
こうしたことが、考えられます。
そこで検索すると、ありました。
27日、熊本県天草地方に光化学スモッグ警報。これは(1)の場合。
http://blog.livedoor.jp/yamaguchikunblog/archives/50559248.html
長野県も対策見直し。これは(2)の場合。
http://www.shinmai.co.jp/news/20070527/KT070525FTI090026000022.htm
5月27日正午現在、山口県にも「光化学スモッグ注意報」が発令されました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20070527/20070527_014.shtml
図11・12に5月27日に「光化学スモッグ注意報」が発令された地域(黄色の所)を示します。時間によって変わるので、注意報が発令された全ての地域ではありません。
九州では、9:00~13:00に北九州市、15:00~17:00に天草地方。
中国・四国では、主として午後に瀬戸内地方(図12の画像は15:00)。
いずれにしても、5月27日、中国・四国・九州で「光化学スモッグ注意報」が発令されていたことが分かりました。
出典は「そらまめ君」より→http://soramame.taiki.go.jp/
注意報は、基準値(0.12ppm)以上の光化学オキシダントが検出された時に発令されます。
「そらまめ君」より、環境省の観測網が曲がりなりにもアルことが分かりました。
ただ、長野県・新潟県のように、即応体制ができていないところもあるようです。
5月26日、昼から長野の山奥に黄砂(oansbさんのブログより)。
5月27日、琵琶湖地方は朝から晴天だったが、琵琶湖と比良山系が薄雲がかか ったように霞んで黄砂あり(biwakoさんのブログより)。
5月27日、大阪で黄砂(写真あり)(bietaroさんのブログより)。→http://blogs.yahoo.co.jp/bietaro/47859265.html
と…言うことで、この二日間に
「黄砂」と「光化学スモッグ(注意報発令)」のダブルパンチを
中国から食らわされたことになります。
やい、コキントウ、どうしてくれるんだ?
賠償しろ!
以下は、5月28日の記述です。
全国的に黄砂の被害は去ったようですが、まだ九州は安心できません。
「5月28日は、九州北部地方の広い範囲で黄砂が予想され、屋外では黄砂が付着するなどの影響が出る可能性があります。」「九州北部では、広い範囲で黄砂を観測しています。長崎県内でも黄砂を観測している所があります(28日17:00発表)。」→http://tenki.jp/area/a84.html
26日の黄砂情報
毎日新聞→http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070527k0000m040049000c.html
紀伊民報→http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=125486
視程(見通しのきく距離)でみる5月26日の黄砂の規模
4Km:金沢市・奈良市
5Km:長崎市・対馬
6Km:名古屋市・大阪市・松山市
7Km:福島市・鳥取市
10Km:横浜市
15Km:和歌山市
20Km:潮岬
図13~15に、
気象庁実測の今回の「黄砂観測地点図」を貼っておきました。
やはり今回も、日本西部ほど、黄砂被害が大きい傾向が現れました。
黄砂被害の内容につて、
健康被害
農林水産業に与える被害
商業に与える被害
交通に与える被害
など分析して、
被害金額など具体的な形で把握しておくべきです。
ノウテンキな東日本のマスコミ・政治家も
近々黄砂の害を自覚するハメになるでしょうが、
実害を自覚している西日本のみなさんが一足先に世論をリードしておいてはいかがですか。
図は、左上から
図1. 5月26日・9:00の予想黄砂濃度分布図(5月25日・23:00現在)
図2. 5月26日・9:00の予想天気図(5月25日・23:00現在)
黄砂は、今、日本を通過中の低気圧の後ろからやって来ます。
日本に黄砂が降る条件
(1)黄砂が日本上空に到達する
(2)晴れて風の弱い天候になる
5月26・27日は、この条件を満たすと予想されます。
5月26日9:00の時点では、黄砂は関東以西に降ると考えられますが、等圧線の幅が広く風が弱い
九州・四国地方は特に黄砂が多く降ると予想されます。
黄砂アレルギーなど、黄砂の害→http://www.okadaue.com/health/e58.htm
こうもりさんの記事をヒントに全球化学天気図のオゾンを調べてみると…、
「大変だあ!今年で2発目の中国発・光化学スモッグがあるかも…」。
ここで、図3と図4を追加。
図3. 5月26日6:00~27日0:00のオゾン濃度分布予想(全球化学天気図より)
図4. 5月26日予想最高気温
オゾンは、光化学スモッグの直接的な原因物質です。
最高気温 25℃以上
日照時間 2時間半以上
風 弱い
これらの条件がある時に、発生しやすい。
図3より、中国発のオゾンが26日正午前後に、関東地方以西を高濃度で覆うことが予想されています。これらの地方で、上の条件を満たす地域は、光化学スモッグが発生するおそれも出てきました。
光化学スモッグ発生のメカニズム→http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/ox/bunpu/meca.htm
光化学スモッグについて→http://www2.health.ne.jp/library/5000/w5000479.html
ちなみに、今年5月8日、中国発・光化学スモッグ第一号・発生時のオゾン濃度分布図を図5と図6に挙げておきます。
図5 今年5月8日のオゾン濃度分布(全球化学天気図より)
図6 地上オゾン濃度のシミュレーション結果(同日のデータ・朝日新聞より)
5月26日は、5月8日よりも、オゾン濃度が高いですね。26日が「好天・風弱く・高温」なら、
中国から「黄砂」と「光化学スモッグ」のダブルパンチを受けることになります。
環境省黄砂飛来情報→http://soramame.taiki.go.jp/Kousa/index.php?que=date
このHPの1ページ目・右側の「このページの特徴、見方」をクリック。
「3.高度別黄砂濃度の見方」に、図7の見方が出ています。
図7 黄砂の時間高度分布図(長崎)
長崎では、25日19:00頃から黄砂が降下し始め、26日0:00頃から激しくなっています。しかし、最高濃度(赤い部分)は地上約100mから上にあって、厚みを増しながら5:00頃には上部は高度1500m付近に達し、風に流されているようです。
図8 黄砂の時間高度分布図(松江)
松江では、26日7:00頃から、高濃度の黄砂が降っている(26日14:00現在)。
黄砂降る
大社の千木を
思ひけり……
5月26日・まとめ
日テレ26日18:00ニュース:
「本日、鳥取市では午前8時頃から黄砂にみまわれ、一時は視程7Km」。
NHKニュース
「本日、松山市では黄砂にみまわれ、午後3時で視程6Km」。
他ブログのmomongaさんのコメントより
「今日、昼過ぎに大阪から神戸方面を見ると、視界が悪かった」。
(1)今回は、視程から、今年4月1~2日の全国的黄砂被害より、被害は軽い。
(2)光化学スモッグ、発生の報告なし。
西から高気圧に覆われてくるので、近畿以西で引き続き27日(日)も、黄砂被害が出る模様。
九州周辺は被害が長引き、28日(月)も黄砂が滞留・降下する見込み。
27日は全球化学天気図によれば、26日同様、オゾン濃度が高く、高温になるので、光化学スモッグ発生のおそれあり。
以下は、5月27日の記述です。
27日正午過ぎに、コーヒーさんから
「北九州市に光化学スモッグ注意報発令」
のTBが入りました↓。
光化学スモッグの発生メカニズムを簡単におさらいすると以下になります。
オゾン前駆体
窒素酸化物など―(紫外線)→光化学オキシダント(90%以上の主成分はオゾン)→高濃度になると光化学スモッグ発生
図9の図2 大陸起源のオゾンは、以前は春に濃度が最大になったが、最近では紫外線の強い夏に濃度が最大になっている。これが、日本に光化学スモッグを起こしている。
図9の図3 窒素酸化物放出量は、日本では横這いから減少しているが、中国・韓国では増加し続けている。大陸起源の窒素酸化物増加が、風下の日本で光化学スモッグを引き起こしている。
以上、図9の出典→http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/041206/index.html
図10 2007年5月27日6:00~5月28日0:00の、地表におけるオゾン濃度予測分布図(全球化学天気図より)。
なお、同時刻の窒素酸化物(窒素化合物)分布図は、↓のコーヒーさんのTB冒頭に図示されています。
コーヒーさんの窒素酸化物の分布図と図10を見ていて気づいたのですが、どうもこういうパターンのようです。
中国・韓国に午後から夜にかけて窒素酸化物が溜まる→
それが西風で日本上空へ運ばれて来る→
日本で午前の紫外線を受けてオゾンが発生→光化学スモッグ!
中国・韓国発の窒素酸化物などのオゾン前駆体が、北九州市に「光化学スモッグ注意報を発令」させたと言えます。
図10では、27日午前中に、高濃度のオゾンが九州から関東を覆っていますが、では、なぜ、北九州市からしか「注意報発令」がないのか?
(1)情報がまだ入っていないのではないか?。
(2)中小の市町村では、北九州市ほどの観測体制が整っていないのではないか?
(3)地域により、日照・気温・風向・風力が異なるので、光化学スモッグの発生は一様ではないのではないか?
こうしたことが、考えられます。
そこで検索すると、ありました。
27日、熊本県天草地方に光化学スモッグ警報。これは(1)の場合。
http://blog.livedoor.jp/yamaguchikunblog/archives/50559248.html
長野県も対策見直し。これは(2)の場合。
http://www.shinmai.co.jp/news/20070527/KT070525FTI090026000022.htm
5月27日正午現在、山口県にも「光化学スモッグ注意報」が発令されました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20070527/20070527_014.shtml
図11・12に5月27日に「光化学スモッグ注意報」が発令された地域(黄色の所)を示します。時間によって変わるので、注意報が発令された全ての地域ではありません。
九州では、9:00~13:00に北九州市、15:00~17:00に天草地方。
中国・四国では、主として午後に瀬戸内地方(図12の画像は15:00)。
いずれにしても、5月27日、中国・四国・九州で「光化学スモッグ注意報」が発令されていたことが分かりました。
出典は「そらまめ君」より→http://soramame.taiki.go.jp/
注意報は、基準値(0.12ppm)以上の光化学オキシダントが検出された時に発令されます。
「そらまめ君」より、環境省の観測網が曲がりなりにもアルことが分かりました。
ただ、長野県・新潟県のように、即応体制ができていないところもあるようです。
5月26日、昼から長野の山奥に黄砂(oansbさんのブログより)。
5月27日、琵琶湖地方は朝から晴天だったが、琵琶湖と比良山系が薄雲がかか ったように霞んで黄砂あり(biwakoさんのブログより)。
5月27日、大阪で黄砂(写真あり)(bietaroさんのブログより)。→http://blogs.yahoo.co.jp/bietaro/47859265.html
と…言うことで、この二日間に
「黄砂」と「光化学スモッグ(注意報発令)」のダブルパンチを
中国から食らわされたことになります。
やい、コキントウ、どうしてくれるんだ?
賠償しろ!
以下は、5月28日の記述です。
全国的に黄砂の被害は去ったようですが、まだ九州は安心できません。
「5月28日は、九州北部地方の広い範囲で黄砂が予想され、屋外では黄砂が付着するなどの影響が出る可能性があります。」「九州北部では、広い範囲で黄砂を観測しています。長崎県内でも黄砂を観測している所があります(28日17:00発表)。」→http://tenki.jp/area/a84.html
26日の黄砂情報
毎日新聞→http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070527k0000m040049000c.html
紀伊民報→http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=125486
視程(見通しのきく距離)でみる5月26日の黄砂の規模
4Km:金沢市・奈良市
5Km:長崎市・対馬
6Km:名古屋市・大阪市・松山市
7Km:福島市・鳥取市
10Km:横浜市
15Km:和歌山市
20Km:潮岬
図13~15に、
気象庁実測の今回の「黄砂観測地点図」を貼っておきました。
やはり今回も、日本西部ほど、黄砂被害が大きい傾向が現れました。
黄砂被害の内容につて、
健康被害
農林水産業に与える被害
商業に与える被害
交通に与える被害
など分析して、
被害金額など具体的な形で把握しておくべきです。
ノウテンキな東日本のマスコミ・政治家も
近々黄砂の害を自覚するハメになるでしょうが、
実害を自覚している西日本のみなさんが一足先に世論をリードしておいてはいかがですか。