中国・韓国由来の酸性雨が日本を襲っている(秋季に着目して)

上から
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図1 日本における酸性雨の発生源(1995年)

 各地域の気象の変化データを参考にして1995年の年間気象データを作成し、その結果をもとに酸性雨の原因物質がどこからどのように運ばれるか、コンピュータで推定したもの。「火山」とは、日本の火山(桜島阿蘇山など)を表す。
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図2 東アジアにおける硫黄酸化物(SOx)の発生量分布図(1995年)

出典:http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/12/10-11.html
 硫黄酸化物は、酸性雨の主な原因物質です。

 日本の酸性雨の発生源(硫黄酸化物)について、次のことが分かっている
春:中国の大都市などから排出されたものが、大量に運ばれてくる。
夏:国内、特に九州の火山から発生したものが、運ばれてくる。
冬:北西の季節風によって、春と同様に、中国から多く運ばれてくる。
出典:http://www.nies.go.jp/nieskids/main2/sanseiu.html

出典には、「秋について」なにも触れられていません。
では、秋はどうなの?
これが、この記事の主題です。
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図3 2007年9月12日 0:00 の雨域分布図

出典:http://www.bioweather.net/amedas/amedas0.htm
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図4 同日同時刻の硫酸塩エアロゾル硫黄酸化物)濃度分布図

出典:http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/index-j.html
 9月11日から12日にかけて、本州以南ではかなりの雨が降りました。この時、秋雨前線が日本の南岸に停滞していましたが、秋雨前線の北側では大陸由来の硫酸塩エアロゾル硫黄酸化物)による酸性雨が降っていたことが分かります。
「秋雨前線の北側では、大陸由来の酸性雨が降る!」。これが結論です。
「これだけのデータで、こう言い切ってしまって良いのか?」
という向きに、私の仮説に都合の良い説明を見つけたのでご紹介します。

南下する秋雨前線は、北上する梅雨前線の「まあ、裏返しというか、逆コース」と言えます。

さて、そこで、こういう記述があるのです。
梅雨期には梅雨前線が日本本土の大気汚染の状況を支配していることが明らかになった。すなわち梅雨前線の南側には清浄な海洋性気団があるが、北側は梅雨前線でブロックされるため(大陸からの)大気汚染物質の濃度が高くなる。

この文章の梅雨を、秋雨に読み替えれば良い訳です。
出典:「アジア大陸からの越境大気汚染を捉える」の(3)酸性雨輸送モデル
http://www.nies.go.jp/kanko/news/15/15-5/15-5-04.html


中国からくる酸性雨については、広範な視点からとらえた「こうもりさん」の記事があります。
光化学スモッグで緊急警告!!【中国からの大気汚染で酸性雨‥いや!汚染雨だ!!】」
http://blogs.yahoo.co.jp/aquarapter/33534954.html
 これに紹介される
2005年の月光天文台集計「酸性雨観測報告」は、
pHの説明などについて具体的で分かりやすく、季節変化も追った、優れた報告だと思います。
2006(平成18)年の報告が出ていますので、ここに貼っておきます。
http://www.gekkou.or.jp/h-1/rp-2006/report-2006.html

ただ、まあ、不満を言うと、「酸性雨の発生源としての中国・韓国」についての言及がない、ということでしょうかねえ‥‥‥。


蛇足として、
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図5 酸性雨の急性影響と慢性影響

急性影響は
植物の花の脱色、葉枯れ
目・皮膚への刺激など人体への影響
で、他は慢性影響になります。
 日本も油断できませんが、
北京五輪後の中国大陸で、橋・道路・建物の崩壊事故が起きるだろうな‥」との予感が、気になります。
粗製濫造の「手抜き工事」の後は、公共心に欠けた「手抜き補修」でしょうから。
まあ、南京大虐殺記念館だけ崩壊してくれればモンクないのですが‥‥‥。




ここで、本記事の急所を追加します

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図6 2007年9月12日 6:00の天気図

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図7 同日同時刻の硫酸塩エアロゾルの濃度分布図

 図4と同日同時刻の天気図を見つけられなかったので、それより6時間後の、「天気図」と「硫酸塩エアロゾル濃度分布図」を図6と図7に挙げました。これがないと、画竜点睛を欠くところでした。硫酸塩エアロゾル硫黄酸化物)は、秋雨前線の北側に分布することがお判り頂けるはずです。

 低気圧のそばで、風向きに沿ってちょっと乱れますがね‥‥。

結論の補強 2007年10月4日に追記

 この記事を書いて以来、
硫酸塩エアロゾルの濃度分布域」と秋雨前線の位置
に注意してきましたが、やはり
中国・韓国・北朝鮮から来る硫酸塩エアロゾルは、日本の秋雨前線を境界としてその北側に分布すること
が明らかになりました。
また、今年の6月に硫酸塩エアロゾルの分布を、「北上する梅雨前線」が北に押し上げることを私は見ています。
 
 次は、
秋晴れの日に、硫酸塩エアロゾルがどのように分布するかを、
見てみようと思います。