毒餃子騒動 (9)第二段階に突入?

この件についてはしばらく「日々是チナヲチ」の出店を続けています。
 以下に、その(9)をかいつまんで紹介いたします。

 内容にコメントある方は、直接、御家人さんにどうぞ。
よたコメントなら、ここでもいいですよ。
転載もと:http://blog.goo.ne.jp/gokenin168
有毒食品で中国「日系企業に落ち度」、前夜祭突入ワショーイ。
                 中国毒餃子 / 2008-02-23 08:15:32
 ……むう。
 と今日も唸ることしか私にはできません。いや、前回のメイド喫茶、あれはあれで一本筋が通っていたので単に驚嘆したということなのですが、今回は先日の「中国足球」同様に「越えられない壁」というものを改めて痛感させられ、中共政権について再認識した次第です。

 何の話かといえば、もちろんこちら。
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 ●ニラ肉まんの殺虫剤、中国検査当局「日系企業に落ち度」(YOMIURI ONLINE 2008/02/22/19:42)
 【北京=牧野田亨】中国の国家品質監督検査検疫総局は22日、山東省の日系企業が製造したニラ肉まんと冷凍とんかつから有機リン系殺虫剤が検出された問題で、「原料野菜を仕入れる過程の検査が厳格でなかった」と発表、日系企業の生産管理に落ち度があったとの見解を示した。

 メタミドホスが検出されたニラ肉まんは「山東仁木食品」が、ホレートが検出された冷凍とんかつは「清清仁木食品」がそれぞれ製造した。2社とも「ニッキーフーズ」(大阪市)のグループ企業。

 同総局は「2社は日本側が単独出資した企業。日本側の基準に従って管理・生産が行われ、日本側の職員が駐在し、監督と管理を行っている」として、「日本側」の責任を強調した。

 また、同総局は日本政府がこれまで、肉まんやギョーザなどの残留農薬検査を要求しなかったと指摘。今後、日本と意見交換し、検査に取り組む考えを明らかにした。

 一方、新華社電によると、山東省の中国企業「宇王水産食品」が日本に輸出した冷凍サバから有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出された問題で、中国の検査当局は「サンプルを調査したが、ジクロルボスは検出されなかった」との検査結果を発表した。
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 (略)
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 ところで、国家品質監督検査検疫総局(質検総局)は「ニラ肉まん」と「冷凍とんかつ」を「日本側の責任」と決めつけた一方で、

 ●山東省の中国企業「宇王水産食品」が日本に輸出した冷凍サバから有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出された問題で、中国の検査当局は「サンプルを調査したが、ジクロルボスは検出されなかった」との検査結果を発表した。

 としています。その「冷凍サバ」について質検総局は、

「ジクロルボスが検出された日本に輸出された冷凍サバについては、消費者に責任を持つという姿勢に基づき、中国側は現在すでに当該企業の全ての製品に対し輸出を停止している」

 と胸を張っています。馬鹿だなーこいつら。

 ●中方已暫停輸日丞レ魚企業所有產品出口(新華網 2008/02/22/14:47)
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 質検総局は、

 ●2社は日本側が単独出資した企業。日本側の基準に従って管理・生産が行われ、日本側の職員が駐在し、監督と管理を行っている。
 ●(日系企業は)原料野菜を仕入れる過程の検査が厳格でなかった。

 と記者会見で発表し、「日系企業の生産管理に落ち度があった」と日本側の責任を強調したとのことですが、「だから何?」というのが私の率直な感想です。日本の全額出資企業だってポカはあるでしょうし、隠れて悪いことをしている可能性も皆無ではないでしょう。ええ、国有企業とか中国と外資による合弁企業と同じように、です。……問題は、

「日本側の職員が駐在し、監督と管理を行っている」

 というその企業を監督する責任部門はどこか、ということです。記者会見を開いている当の質検総局ではありませんか。質検総局でなくても中国当局のいずれかの部門であることは間違いありません。

 という訳で、質検総局の自称「消費者に責任を持つという姿勢」が問われることになります。要するに「日本企業がポカをやった。だから日本側の責任」と言っているけど、そういう日系企業の愚鈍さをしっかり監督せず見過ごしていたのはお前ら質検総局じゃないか、その責任はどうとるんだボケ、ということです。
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 質検総局は、日系企業を叩くことで自分も叩かれる立場になることをわかっていないのでしょうか。今回は記者会見のプレスリリースである新華社電が、

「日本に輸出された肉まんから残留農薬が検出されたのは日本の全額出資企業による管理の問題」

 と断定してしまっています。

「じゃあ質検総局なんてないのと同じじゃないか。日系企業だけに責任を負わせるというのは、要するに輸出される食品への品質検査はザルってことだな」

 という話になるのです。……実際、

「日本はこれまで、残留農薬量の基準を示したり検査を求めてきたことはなかった」

 と質検総局は新華社電で弁解していますから、輸出製品への品質検査は本当にザルなのでしょう。道理でパナマで中国製風邪薬で多数の死者が出たり、米国などで中国製ペットフードで犬猫がどんどん死んだり、鉛漬けの玩具が輸出されたり、EUへの輸出米に遺伝子組み換えコメが混入されて問題になったりしている訳です。わが日本でも新ネタが続々。

 ●耳かき1杯で致死量 新たに猛毒2種検出 みやぎ生協の中国産ギョーザ(MSN産経ニュース 2008/02/20/21:49)
 ●中国製まな板から鉛溶出の恐れ=ベネトン、5800枚を回収(時事ドットコム 2008/02/22/12:18)
 ●生協で販売の中国製敷物からミシン針(YOMIURI ONLINE 2008/02/22/14:31)
 ●CO・OPとやま、中国で加工した全食品の販売中止へ(YOMIURI ONLINE 2008/02/22/21:06)
 ●中国産マッシュルームから異臭、岡山県が加工会社を調査(YOMIURI ONLINE 2008/02/22/22:47)

 つまり質検総局は、自分たちが仕事をしていないことをわざわざ記者会見まで開いて明らかにしていることになります。なるほどこれはある意味「消費者に責任を持つという姿勢」かも知れません。……非常に大胆かつ野心的な手法ではありますが。

 おかげさまで少なくとも日本の消費者の間では、中国食品のブランドイメージがしっかり定着することとなりました。餃子でも肉まんでもとんかつでもシメサバでも、とにかく中国が関わっている製品には名前の前に「毒」の一字を付け加えればいいのですから、これほどわかりやすいものはありません(笑)。
 (中略)
 何たって他でもない中国なんですから。目先の利益を最大限に追求するモラル不在の「やったもん勝ち」がまかり通り、農民は自分で食べる分の野菜には農薬を使わない、という苛烈な社会状況です。もっとも大気も水もひどく汚染されていて、その汚染された水が農業用水として入り込んで土壌を重金属まみれにしていますから、農薬を使わない作物も無事では済みません。そんな中国に深入りしたのが運の尽きということです。

 (略)
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 面白いことに、日本が毒食品シリーズで大揺れに揺れて、米国は有効成分が中国産である抗凝固薬ヘパリンによる中毒被害の問題が現在進行形で、EUはEUで遺伝子組み換えコメその他の問題で剣呑になってきたこの最高のタイミングで、燃え上がった炎にさらに油を注ぐようなことをしてしまうのが中国なのです。
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 ●北京市が食品安全を強調、「国際基準より厳しい」(MSN産経ニュース 2008/02/21/18:44)
 北京市食品安全弁公室の唐雲華報道官は21日、記者会見し「北京五輪ばかりでなく市全体の食の安全を確保するため、国際的なものより厳しい基準を適用して取り組んでいる」と安全性を強調した。(後略)。(共同)
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 質検総局も北京市も、ひょっとしてMプレイがお好み?まあ当局は大真面目に対応しているつもりなんでしょうけど、都合の悪い話題は力づくで封殺にかかるという中共政権お得意の厚顔無恥なパワープレーは独裁統治が及ぶ中国国内でのみ通用する、ということが理解できないでいるようです。そこら辺が「越えられない壁」というやつで。何やら国際的に香ばしい展開となりつつあります。

 むろん、日本の主役である天洋食品特製毒餃子にも進展がみられています。
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 ●メタミドホス、中国国内で混入…警察庁長官が公式見解(YOMIURI ONLINE 2008/02/21/19:04)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080221-OYT1T00487.htm

 警察庁の吉村博人長官は21日の定例記者会見で、中国産冷凍ギョーザの中毒事件について「日本国内で混入した可能性は低いと考えている」と述べ、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は中国国内で混入されたとする見方を示した。

 警察庁が公式の場でこうした見解を示すのは初めて。(後略)
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 ●ギョーザ中毒事件、中国外務省が警察庁見解に「不快感」(YOMIURI ONLINE 2008/02/21/20:05)
 【北京=佐伯聡士】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、警察庁が中国国内での混入の可能性が高いとの見方を示したことに関連して、中国外務省の劉建超・報道局長は21日の定例記者会見で、「現段階で、一方的で不完全な『証拠』に基づいて判断するのは、正しく責任ある態度ではない」と述べ、不快感を表明した。

 劉局長は「科学的で全面的な調査を経て判断しなければならない」と強調した。
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 デブ報道官は質検総局が2月13日に開いた記者会見で魏伝忠・副総局長が、

「中国側の調査状況は、質検総局と公安部門が発表するものを正式なものとする」

 と語ったことを忘れているようですね。日本側の調査状況を警察庁が発表するのに文句をつけるとは筋違いも甚だしいところです。

 (中略)
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 それにしても質検総局、前回の記者会見では、「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」という名言を残しましたが、今回も自らの責任を棚に上げた「お前が言うか」的な大ボケ発言をかましてくれました。毎回魅せてくれるあたり、なかなかのエンターテイナーです。
 (中略)
  胡錦涛が来日しても東シナ海ガス田問題が劇的な進展をみることはない、という観測が流れていますから、ひょっとすると毒餃子事件も長引く可能性があります。新ネタが続くのであれば、むしろ長期化する方が日本の消費者にチャイナフリーや食の安全に関する意識が根付くので良いかも知れません。中国とフフン♪(福田首相)は困るでしょうけど。
 (中略)
 「中国=有毒」キャンペーンがかなり盛り上がってきたことは事実。好ましい状況が形成されつつあります。
http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php