敗戦責任論の正体

読者の声2)「敗戦責任論は手垢のついた古臭い敵のワナ」

1.俗耳のワナ:
戦後よく「敗戦で多数の犠牲者が出たのだから、誰かが責任を取るべきだ」という意見を聞きます。
 この前提には「何事も責任があるはず」という発想があり、俗耳に入りやすい論理です。

2.敵概念の欠落:
 しかし戦争はそう簡単ではありません。というのは敵があるからです。
 「自衛できずに敗北したから責任を」というのは、「敵の責任」が見えていないおかしな論理です。津波で被害が出たからといって、「総理大臣に責任をとれ」と言ったらおかしな話です。

3.総力戦概念の欠落:
 それから近代の戦争は全員参加です。国民全体に賞罰は別として、何らかの責任があります。「私は知らなかった」は許されません。

4.謀略工作:
 「敵概念」がつかめると、「責任論」が実は「謀略」であり「日本人を内部分裂させ弱体化」させ、それを外から見て嘲笑するという構図が判ります。

5.騙される心理:
 ただこの裏には一部日本人の「他人に責任をかぶせて自分は逃れようとする汚い心理」があります。総力戦なのだから、一億総責任であり、「自分や家族も責任者として処断される」としたら、責任論を誰も言い出さないでしょう。

6.近代史の敗戦の事例
1)フィンランド戦争:
 1939年のソ連フィンランド攻撃では、フィンランドは人口350万に過ぎないのに、人口1億7千万の大敵であるソ連の領土割譲の恫喝に抵抗して自衛戦争を戦いました。緒戦では有名なフィンランド冬戦争でソ連赤軍を大敗させましたが、最後には負けました。しかし指導者のマンネハイム大統領は英雄であり、今も銅像となって国民の尊敬を集めています。

2)ワルシャワ蜂起:
 1944年のポーランドワルシャワ蜂起では独立に立ち上がったポーランド人が大量に殺されましたが、敗戦責任を仲間内の指導者に問うているでしょうか。
 そうではなく皆敵と戦った民族の英雄として顕彰しています。
 「欧米人、支那人朝鮮人、ロシア人は皆狡猾」なので、仲間内で争わせるような謀略は一発で見抜いて相手にしません。引っかかるのは日本人くらいでしょう。要するに間抜けなのです。

3)敵の恐れ:
 敵が東條英機以下の遺灰を遺族に渡さず、太平洋に撒いたのはなぜか。それは「犠牲者が外敵の侵略に抵抗した日本民族の英雄である」ことを知っていたからです。
 欧米では敵の遺骨が聖物となることを知っているので、宗教戦争、異端裁判、反乱(プガチョフ)などの指導者の遺骨は粉々にして跡かたなく消しています。
 洗脳の一種です。日本でもそれをやったのです。幸い愛国者の努力で遺灰は残り、お祀りされています。

7.「東京裁判史観」の最期:
 ソ連の崩壊で「新しい史実が米露から公開」され、大東亜戦争侵略論は完全に否定されました。完全な日本の自衛戦争だったのです。
したがって東京裁判史観も否定されました。裁判は「日本人の報復」を防ぐために作った八百長の芝居でした。
 この近代史の大転換をまだ知らないところに日本人政治家や大衆の問題があります。
 マスコミは知っていますが隠蔽しています。だから時代錯誤の「蟹工船」が売られているのです。日本人の時代錯誤は世界中の笑いものです。   (MC生)


宮崎正弘のコメント)長文の力作、有り難う御座います。蟹工船の話まで関連していますか。小林多喜二の亡霊をキャンペーン化して情報戦を仕掛けているのは、もちろん旧左翼です。
出典:http://www.melma.com/backnumber_45206_4231467/

追加資料
昭和20年8月29日、当時の「讀賣報知」の社説に次のような記事がある。
「固(もと)より大詔を拝して謹まざる國民は一人としてないが、そんな筈はないといふ気持ちでこの敗戦の事實を受取る態度は、今日に至るもなほ跡を絶つてはゐないのである。」
「そんな筈はない」というのは、まだ戦力に余裕があるという意味で、戦争に負けたことに納得していないことになる。これが終戦の日から2週間経った国民の感情であると理解できるだろう。だから、当時「戦争責任」などということを口にしようものなら、周囲の人は引っくり返ってびっくりしたことであろう。
 戦争責任という言葉は日本国内から出てきた考えではなく、旧敵国からのプロパガンダの言葉として津波のように押し寄せてきたのであって、日本人に罪悪感を植え付けようとしたのである。

<現在において、軍部の戦争責任、政府の戦争責任ということを言う人間がいる。彼等は旧敵国のプロパガンダに乗せられた人間であり、また戦後の敗戦利得者の系列に属する人間である。>
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/takaonaitousa/27765412.html
http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php