飢饉の記憶(1)

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曼珠沙華(ひがんばな)

       作詞 北原白秋(明治44(1911)年 歌集『思ひ出』  
       作曲 山田耕筰

ゴンシャン、ゴンシャン、何処へ行(ゆ)く。
赤いお墓の曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華、
きょうも手折(たお)りに来たわいな。

ゴンシャン、ゴンシャン、何本か。
地には七本(しちほん)血のように、
血のように、
ちょうどあの児(こ)の年(とし)の数(かず)。

ゴンシャン、ゴンシャン、気をつけな。
ひとつ摘(つ)んでも、日は真昼(まひる)、
日は真昼、
ひとつあとからまたひらく。

ゴンシャン、ゴンシャン、何故(なし)泣くろ。
何時(いつ)まで取っても曼珠沙華曼珠沙華、
恐(こわ)や、赫(あか)しや、まだ七つ。

 「ゴンシャン」とは、九州・柳川地方の言葉で、「良家のお嬢さん」という意味です。あの児は七歳で死んだことが判ります。いくら採っても,七本咲き残るというのは不気味です。(続)
 歌はここで聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=4dspvUaM9oQ

「飢饉の記憶」は、(3)まであります。
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