最高裁・裁判官の国民審査(2)国民審査は機能しているのか?

 国民審査は、制度として機能しているのか?

 この疑問を解決するには、「国民審査で罷免になった裁判官の有無」を確かめればよいでしょう。
国民審査で罷免になった裁判官は、制度がはじまって以来、この65年間に一人もいない!

「弾劾裁判」や「国民審査」でやめさせられた裁判官はいますか?の質問に、こういう回答が寄せられています。

国民審査でクビになった人はいませんが、
弾劾裁判でクビになった人は5人います。

国民審査は機能していないとして、
改正もしくは廃止の検討は過去何度かありましたが、
今に至っています。


1955年 帯広簡裁判事 略式命令請求事件失効 
1957年 厚木簡裁判事 当事者から酒食の提供 
1977年 京都地裁判事補 首相への偽電話 
1981年 東京地裁判事補 破産管財人からの物品供与 
2001年 東京地裁判事 児童買春

これでは、国会の弾劾裁判で不良裁判官をクビにした方が話は早い。ということは、政党と人物を選挙で選んだ方が早道だということになりますかねえ・・。それにしても、弾劾裁判で明らかな悪者がたった5人。裁判官はアグラをかけますなあ・・・。



(1)機能していない。
(2)これには二つの問題が内在している。
(3)一つは、最高裁判所裁判官そのものが一般の国民には身近でなく、投票時に初めて名前を知るという国民が圧倒的に多い。名前も知らないくらいだから、どんな人かも当然知らないわけで、正直言って審査のしようがない。
(4)もう一つは審査の方法。現在の方式は、投票用紙に×印を書かれられなかった裁判官は自動的に信任と見なされるため、信任票が多くなる。これを信任する裁判官に○印を付けるという方式にしたら、罷免される裁判官が出てくる可能性はある。

国民審査の来歴は、
どうも占領憲法を作る時にGHQの担当者がアメリカのミズーリ州の風習で間に合わせた・・・・・、と。それをGHQによる公職追放にビクつく帝国議会の議員らが「審議した」と称して訳も分からずに承認した・・・、

とまあ、こういう図式が私には見えてくるのですが・・・。

 どっこい、こういう記述がありました。
>GHQ側は、国民審査を導入しないのであれば最高裁判所裁判官の任命をアメリカの場合と同じく国会同意人事にすべきであると主張した(アメリカでは最高裁判所裁判官を新たに任命する場合、上院の三分の二以上の賛成による承認が必要とされる)が、それでは最高裁判所が国会の支配下に置かれることになり、司法の独立を阻害される結果を招きかねないとして、最終的には霜山も不本意ながら国民審査制度の導入を認めたとされる。
 いずれにしても、左翼の皆さんの言いたがらない「GHQ占領下」のことですから、アメリカとの関係がモノを言った訳です。




国民審査は、現行憲法第79条と、最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年施行)に定められています。
 国民審査法には、こんな項目があります。
第二十二条 (投票の効力)  審査の投票で左に掲げるものは、これを無効とする。
一  成規の用紙を用いないもの 
二  ×の記号以外の事項を記載したもの 
三  ×の記号を自ら記載したものでないもの









教科書では、国民審査とは、「主権者たる国民が司法権最高裁判所の裁判官)を監視する制度」と説明されているけど、実際に機能したタメシがない!
「国民審査」なんてモンは有名無実で、「主権者たる国民が司法権を監視できる」と思うのは幻想だ!要するにウソだろが。
教科書が「わかりやすいウソ」を教えることは、ママあります。
社会科学系では丸め込みやすいウソと言った方がいいかも・・・。

























国民審査の制度を、今の日本の国情に合うように変えろ!
と言っても、今からじゃ間に合わないし・・・・。





































んで、16日(衆院選投票日の国民審査)にはどうしたらいいんだ?
という話になります。




余談
 GHQの日本占領によって、日本の法律はいろいろ変わりました。日本の国情に合わないものもあります。国民審査もその一例でしょうが、他にもあります。
アサの栽培は、米軍の日本占領後わずか三ヶ月で全面禁止にされています。それまでのアサは、繊維作物として広く日本で栽培されていました。麻布・麻生の名はそれを表しています。GHQによってアサの栽培を禁止する妙な法律を押しつけられたとして、これに反対する人々がいます。