【討論】 明治維新とは何だったのか?Part2[桜H30/11/3]

【討論】明治維新とは何だったのか?Part2[桜H30/11/3]  
2018/11/03 に公開

パネリスト:
 上島嘉郎(元産経新聞社『月刊正論』編集長・ジャーナリスト)
 小堀桂一郎東京大学名誉教授)
 榊原英資青山学院大学教授)
 鈴木荘一(歴史家・幕末史を見直す会代表)
 関良基(拓殖大学教授)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 星亮一(歴史作家・戊辰戦争研究会主宰)
 宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総

     
maxammasakazu氏のコメント
水島さんと上島さんの悩みは、一貫性のある日本人論でしょう。

今回の討論は天下一品です。
二時間目辺りにある、会津藩に関わる内容で水嶋さんは悩み、上島さんは「議題が大き過ぎる。」と漏らしています。これでこそ天下一品の討論です。
「整合性ある説明は出来るけれども、『維新』と『革命』について整合性ある理解が出来ない。会津藩に申し訳が立たない・・。」と言う悩みこそが「統一国家の国民としての悩み」であり、「思いやり」なのです。

今の時代だからこそ、「ハイレベルな知識」を身に付ける事が出来ます。しかし、過去教育が発達していない事や本書や辞書が発達していない時代には「整合性ある説明」は殆ど出来ません。だからこそ、「指導者」には「文武両道」と言う責任を負わせる事に成っていました。現代に於いてはハイレベルな知識は比較的スムーズに獲得出来るでしょう。そしてそのハイレベルな知識は「見識」を生み出します。
だからこそ、「整合性ある説明が出来ない・・・。」と悩むに至るのです。

今回の討論の意味は「日本人としての足元を見る。」や「日本の近代国家以前からの歴史を振り返る。」と言えるでしょう。そこに現代社会における価値観から言える確かな整合性や一貫性は有りません。しかし、その不合理を見る事こそに大きな意味があるのです。

それは「会津藩に対しての不合理を止めよう。」と言う動機に成ります。また広義には「同じ日本人として歩もう。」と言う決意にも成るでしょう。整合性ある説明よりも、不合理に対して負けない態度を模索するに至ります。
一方で、星亮一さんや鈴木荘一さんのお二人は「本音を語る。」と言う事で使命を果たし、どこか「役目を果たした、ほっとした。」と言う様子が伺えます。きっと彼等には「これ以上の追求は・・・、」と彼らを応援する人達から、お二人に前向きな終止符も貰えるのでは無いでしょうか?

私個人としては日本の歴史的不幸で傷付いていた会津藩の事を教えてくれたお二人に感謝と尊敬を申し上げます。
これらの事を時流に惑わされる事無く真摯に向き合っていた今回の討論は天下一品です。
ロジック(論理や論理展開)ばかりが討論の価値ではありません。

私が尊敬する日本人像の一つは、今回の様に不都合とも向き合う威厳を持った日本人の姿です。
今回は特に響きました。これからも応援しています。頑張って下さい!